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 先日、武智三成氏から『Shyな明星(久保田元紀作品集)』(非売品)を送っていただいた。残念ながら天守閣句会はなくなってしまったが、ながく楽しみに出席させていただいた句会の一つだった。

 川柳文学コロキュウム句会の帰り、久保田元紀氏に天守閣の柳誌をいただき、句会に誘っていただいたのが最初。この本に平成20年10月(26日)句会の「たむらあきこ選」として《ふるさとの峠え(へ?)原点を洗う》(久保田元紀)が掲載されているので、このあたりが天守閣句会に出席し始めた時期だろう。

 久保田元紀氏には、句会でなんども選者を仰せつかった。選の回数の多さに比べ、氏の句はわずか5句しか採らせていただいていないことに驚いた。ご自分の句をなかなか採らない選者だったあきこになんども選を依頼されたのは、どういうお気持ちからだったのだろうか。つぎは、この本の中の平成24年まで(氏は平成24年3月にご逝去)のたむらあきこ選の氏の入選句。

ふるさとの峠へ原点を洗う「洗う」
世渡りの出来る話術が僕にある「煽てる」
飛びたった矢を哲学は忘れない「忘れる」
僕の肩にも国債が増えている「増える」
骨の髄までストーカーが追って来る「貫く」

 下記は、全体からの抄出。まだまだあるので、つぎの機会に。

君が代も校歌も鎖だと思う「鎖」
悪友が鏡になってくれている「鏡」
電話の向こうも金に困った咳をする「お金」
戦争を蛍は語らなくなった「雑詠」
自問自答してはストレス溜めている「雑詠」
ストレスが夫婦茶碗の中に浮く「茶碗」
街はこぞって私を通り抜けてゆく(同人近詠)
もう一人の弱い私が離れない「離れる」
足音が小さくなって秋になる「雑詠」
雪はふしめで四十七士を吊っている「吊る」
川幅を重ねいつしか老いている(同人近詠)

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