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 「おなじことを繰り返す日々に、どんな意味があるのか」ということを考えなかった人はいないのではないか。たとえば職場と家との往復。毎日おなじで、そのことにむなしさを感じたことはないだろうか。私たちは日々止まることを許されず歩いている。ゴールがどこにあるかわからず歩いているような気がしたことはないだろうか。

 そのように歩き続けていることに意味を感じられず、だんだんむなしくなってくる。おなじことの繰り返しというのはだんだん苦痛になり、そこに生きる意味を感じることがむずかしくなるのね。毎日職場と家との往復をしているうちにこころが渇き、「自分は何のために生きているのだろう」という疑問が生じるのである。

 毎日の繰り返しがとつぜんむなしくなる。不安だが、誰にも言えない。それは寂しさにも通じるが、人間という生きものの本質だろう。仏教では、この苦しみを「流転輪廻(るてんりんね)」というのね。死んで違うものに転生(てんしょう)することが輪廻だが、死ぬ前のいまも流転輪廻をしているのね。流転の転は転がる、輪廻は輪が回るであり、一本の線ではないのね。一本の線なら始まりがあり、終わりがあるけれども。

 輪は、始めから終わりに向かうとまた始まりに戻り、ぐるぐると続いていく。始まりもなければ終わりもない。そういうことで、仏教では流転輪廻は苦しみをあらわすことばであり、迷いだというのね。私たちはこの迷いの中にあると。毎日がおなじことの繰り返しというのは流転輪廻の苦しみなのだと。

 終わりがないというのが苦しみだというのね。「賽の河原の石積み」ということばがある。子どもが石を高く積み上げたところへ鬼がやってきて、積み上げた石を金棒で崩すのね。これを終わりなく延々と繰り返す苦しみ、意味のない苦労を表すことばなのね。これこそ流転輪廻。この流転輪廻の輪から抜け出すことが仏教の目的だというのね。仏教はこれを出離(しゅつり)というのね。

 2017年12月、インドに行ったことがある。ガンジス川にその年の9月に亡くなられた前田先生への供養の花を流して、先生の輪廻転生を祈ったのね。(先生は川柳の“東の横綱”と称えられたが、短歌や俳句にこころを残して逝かれたので、もういちど生まれ変わってそちらの方でも活躍していただきたかったのね。) ところが、これが大間違いだとあとで分かった。輪廻転生とは苦しみだったのね。そういう祈りは、よくないのね。

 一般に人は、定年で仕事から解放されるとやっと自分らしい人生を手に入れることができる。仕事が、繰り返すだけの苦役でない人だけが、それまでも自分の人生を生きがいをもって生きられるのね。しかし、どれほどの人がそのように生きていけるだろうか。逃れようのない繰り返しの中で、どう日々を新たに生きるかということこそが人生の難問なのである

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