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 句集をつくるとき、たいせつなのは全体のテーマ(主題)を考えることだろう。テーマはその作品の核といってもいい。1句17音では伝わらずとも、一冊の句集をつくるために句を集めたとき、いちばん伝えたいことは何かということを意識して考えてみることがたいせつなのだ。(写真:『おくのほそ道』原本)

 句を句集にまとめようとするとき、わたしにも意識的に基準とするテーマがあるのね。小説を書くように、句集もテーマを考えて編むことがたいせつだと考えるようになったのね。テーマが曖昧だと、全体に何を伝えたいのかわからない作品になり、印象がぼやけるのはほかの文芸作品とおなじ。直接何がテーマと書かなくても、何であるかが伝わることが作品としてのちからといえるけれども。誰にも伝わらない、伝わりづらい川柳はいくら作者の周囲の一部の人たちがほめてくれていても、外部の誰のこころにも響かず、したがって読まれることもない。

 読者に伝わる一冊にテーマは不可欠だと思うのね。句を寄せ集めただけでテーマを曖昧にしてしまうと、訴えるちからが弱く、伝わらないのね。読まれる句集にしたいなら、やはりテーマをしっかりと決め、意識して冒頭から結末まで句の取捨選択をすべきかと思う。建築にしても設計にはテーマがあるわけで。テーマに添うことが句集を濃くするのである。

 惹きつけられる句集には深みがあるのね。同一テーマをいろいろな視点からとらえ表現してこそ、そのまとまりがちからになるのである。ありきたりな句集と評価されないよう、個性をだすためには直接関係のないエピソードなども入れて内容に厚みをだすことも考えてよい。ただそれも入れすぎるとテーマがぼやけてしまうということはあり得る。

 テーマをつねに頭において、句の分量を振り分けるというさじ加減が要る。どのような発想の句であってもよいが、数句では弱いので、まずはふだんから詠みたいことへの発想を広げて詠んでおくこと。句集にするときには全体の筋が通ることがたいせつだろう。たぶんその作業中も新たなテーマは見つかる。そのテーマをつぎの句集の核にすればいい。

 一つのテーマを多面的に追求することで句集に深みがでる。しかし、大きな括り(概念)としてのテーマとともに、それぞれの句で作者の言いたいことが読者に伝わらないといけない。一般的・汎用的なテーマは、句集の核にするにはどうかというところがあるのね。自分に引き付けられない概念だけでは伝わらない。またテーマがブレると伝わらない句集になる。やはり一冊の中ではテーマを一貫させることだろう。

 ところで、あきこのテーマのひとつは〈不条理〉。人生を不条理な旅と思いながらも、その旅にいる自身を客観的に眺めている。川柳は、不条理を詠む文芸なのかもしれないと思うのね。《おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな》は俳句(芭蕉)だが、じわりと人間の哀しみがにじみでてくる。こういう句が集まれば、川柳においても名句集なのね。

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