手のなかに師・前田咲二❼‥《気心を許し外濠埋められる》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成10年』❼
伸び切った輪ゴムの中に妻と居る
夫婦別姓 首輪が少し軽くなる
スランプの形で髭が伸びている
マツタケにもカニにもぼくは不感症
うどんのネギ多いと幸せと思う
外野席の主張を一つずつ拾う
鹿の脱糞 ぽとりと冬が静止する
鹿の瞳に静かな刻が流れている
名人の芸のかけらも見...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二❻‥《環状線の秋を一駅ずつ拾う》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成10年』
神様がいいと言うまでただ歩く
歩き疲れて仏の膝をお借りする
使い捨てカメラで軽い恋を撮る
肩書きを捨てて自分が見えてくる
新聞をがつがつ食べている戦士
ポケットでショックを握りしめている
残り時間を刻むわたしの万歩計
秋を逢う訣れことばをてのひらに
男ひとり皿を汚さぬ...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二❺‥《池に鹿 魁夷の森に迷い込む》(前田 咲二)
画:東山魁夷 (描かれたのは、御射鹿池)
『前田咲二遺句集 平成10年』❺
本当の自分を探すまで流れる
利休茶碗を抱くやんわりとしっかりと
やんわりと妻が握っている尻尾
涙に弱い男とすぐに見抜かれる
教会で会った男と寺で会う
母を描けば弥勒菩薩になるだろう
同期の桜歌うといつも泣く男
爽やかな退き際...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二➍‥《小島功のカッパが酒をつぎにくる》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成10年』➍
心冴える刻をしずかに待つ匠
焼き芋を包むやっぱり新聞紙
疾しいところがなければああは騒ぐまい
ひもじくて田辺聖子を食べている
胃カメラに見られるぼくの不行状
わがままなわたしがしゃしゃり出て困る
馴れそめも別れも傘は知っている
ニンニクの臭いチャンスをふいにする
古...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二❸‥《五十年 夫婦に削るものがない》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集平成10年』❸
袋絵の花を信じて種を蒔く
トーストも愛もこんがり焼いてます
蕾のうちに摘まむ情けもあるのです
千の手に千の閃き千の迷い
その話聞き捨てならぬ 猪口を置き
さくらさくら亡母にもあげる小盃
口縄坂の雲織田作の顔に似る
年金の暮らしに義理が重くなる
逃げ上手も誘い上手もいる...【続きを読む】
高野山・壇上伽藍吟行20句(2018/9/19-20)‥《声明の透明 目瞑ればきのう》(推敲中)
前田先生の句を拾うのは、ゆっくりしているとこれからの私の余白の時間的にも厳しいものがあるので、毎日30句と決めて挙げてまいります。だいたい夜中から早朝にかけて仕事をしてまいりますので、これから一日に二度ブログをアップしていくことになります。
がんばれるだけがんばりますが、途中アップできていない...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二❷‥《たぐり寄せてみればわたしの影だった》(前田 咲二)
先生は、お会いした傘寿(少し前)ですでに左目が見えなかった。右目も、眼の中にタマがあるとかで、そのタマに遮られて披講にいつも少し時間がかかった。そういうことを感じさせない身のこなしは、江田島の海軍兵学校仕込みのものだったかもしれない。戦後は日本通運に就職、経理部長をさいごに退職されたと伺っている。...【続きを読む】
(7日)阪南10月句会‥《逝ったひとを踏む忘恩の影だろう》
(8日、記す) 7日。目を覚ましたら、なんと9時。予定していた川柳クレオの大会をあきらめる。(ゴメンね、正人さん。昨夜、なんばの喫茶店で65句詠んでいたのよ) そこへ電話、それではと阪南句会に出かけることに。お題を教えてもらって、半時間ほどで4題43句。(↽超スピード!) 11時半に車で迎えにきても...【続きを読む】
Loading...





































