ピースボート川柳講座 6月26日集句
aついていくだけでは旅と言わないよ
このままで。
b船旅を「冥途の土産」と人は言う
このままで。
c咳止まずルームメイトにすまなくて
このままで。
参 ルームメイトにすまない咳が止まなくて
d6月の月は輝いたピースボートでヨーロッパめぐり
添 6月の輝き ピースボートでヨーロッパ
添 6月の輝き 船でヨーロッパ
eビルの間につくもる月に「こんばんわ」
添 ビルの間にすわった月に「こんばんは」
f愚妻でも文句言わず誉めてくれ
「愚妻」「愚息」などはなるべく使わないように。
添 愚妻でも文句もいわず褒めてくれ
g眠いなー聞くのも疲れる長話
このままで。サラ川。
h月の輪に入り切れず一人泣く
添 どの輪にも入り切れずにひとり泣く
i満月がゆがんで見える悲しくて
このままで。
j夜のない月のみえない白夜かな
添 月見えぬ白夜 きみのいない白夜
k吹きいでるかんけつせんに息をのむ
このままで。
参 ふいに咲く間欠泉に息をのむ
l船内でコート盗まれ人不信
このままで。
参 人間不信船でコートをぬすまれる
m見あげればかがやきいる三日月よ
添 見あげればかがやいている三日月よ
nおこられし上司の顔夢に出る
添 おこられた上司の顔が夢にでる
oはるばると最北の地に月見あげ
このままで。
参 最北の地に来てひとり月をみる
〇p友以上恋人未満月欠ける
「月欠ける」の比喩がいい。
添 友以上恋人未満 月欠ける
qニヤリして詠み返したいサラ川柳
添 サラ川を読み返したいニヤニヤと
r大騒ぎ一人になると月ながむ
添 大騒ぎ ひとりになると月ながめ
s満月や恋しい夫が笑ってる
このままで。夫は亡夫なのだろうか。
t米値上げ我慢つづきで三日月に
添 我慢つづき顔三日月になる値上げ
u禁酒せよ医者に言われて量へらす
このままで。
参 減らすだけ医者に禁酒と言われたら
vデッキ出て見る月わびし家族思う
添 デッキに見る月のわびしさ 家族いま
w今ごろ見てるかこの月夜友思う
添 いまごろ見てるかとこの月友思う
x一日中スッピンこの船だけよ
添 スッピンで過ごせる船のありがたさ
yまた月見る 日の出入りばっかりで
添 日の出日の入り また月を見る
z欠けた月満月よりも私似ね
このままで。
参 欠けた月満月よりもわたくし似
ⓐウサギ餅月のお土産まだつけず
意味不明。
ⓑ月捜し今日の礼に手を合わす
添 お月さま今日もと礼の手を合わす
Ⓒ三日月はとんがっていて嫌いなの
このままで。
参 とんがった三日月きみに似て嫌い
ⓓ上弦か下弦かいまだにわからない
添 上弦か下弦かいまだわからない
ⓔ満月にためいきひとつそっとはく
このままで。
参 満月にためいきそっと吐いている
ⓕ社交ダンスおぼえられない壁の草
「草」まで言わなくても。
添 社交ダンス覚えられない壁の花
ⓖ満月を卓よりながめ夕の膳
添 満月をながめて夕の膳にいる
ⓗ満月や猫とならんで月を見る
添 満月を猫とならんで見ています
ⓘ昼の月追いて夏日の大西洋
添 昼の月追って夏日の大西洋
ⓙクルーズの人との出合い宝物
添 クルーズの人との出会い宝物
ⓚ好きな海毎日見ても又好きに
添 好きな海毎日見てもまた好きに
ⓛ月観てもつきなみな句を作るボク
このままで。サラ川。
ⓜ月光に気が狂わない私かな
添 凡人のわたし月には狂わない
参 狂人の狂が似合っている月だ
〇ⓝ上役に面と向かって言う気⦅勇気⦆なし
このままで。サラ川。
Ⓞデッキより留守宅の夫へ月みて感謝
添 留守宅の夫へ感謝月をみて
Ⓟ子らの幸せに月みて感謝
添 子らの幸せに満月みて感謝
ⓠ船旅で重い体新月では腰掛できないね
《お茶にしよあの三日月に腰掛けて》(北原おさ虫)。
添 新月では腰掛できぬ肥満体
ⓡねえ見てて生きてる私を月うさぎ
添 ねえ見ててとんでるわたし月うさぎ
Ⓢ満月を見せてかくして雲流れ
このままで。
ⓣ風呂上り一人で見てる月清(さや)か
添 風呂上りひとりながめる月清か
ⓤ薄明かり月夜に自分の影を見る
添 月明かりひとり佇(たたず)むボクの影
ⓥ三日月も波と一緒に阿波踊り
このままで。
ⓦサラリーマン「卒業おめでとう」に温度差あり
添 「卒業おめでとう」に温度差サラリーマン
Ⓧかみさんと「月の砂ばく」を旅したい
このままで。
ⓨサラリーマンかみしも脱ぐのは屋台だけ
このままで。
ⓩグチを言う友達は月陽は他人
添 グチ言える友だちは月陽は他人
参 グチ聞いてもらえる友は月だろう
ア地平線月はまたたきかくれてく
添 またたいてかくれる地平線の月
イこんなにも真赤に照れた月あかり
このままで。
参 こんなにも真赤に熟れた月明り
ウなんとまあ波のいたずら体重計
添 なんとまあ上下する波体重計
エ永山を見ながらたべる茶わんむし
添 氷山を見ながら崩す茶わん蒸し
オパーティに着ていくドレスみなきつく
添 さあというときにはドレスみなきつい
カ毎日がライン送りで忙しい
このままで。
〇キディナー席じまん話にかしこまり
このままで。「かしこまり」が面白い。サラ川。
クお月さん星が見えないどいてくれ
このままで。サラ川。
ケ赤道でも月は東に昇るのか
句意がわからない。
コ外灯を満月と言う母の悲しさ
添 外灯を満月と言う老母(はは)といる
サ白夜にて月を見たくて寝そびれる
添 白夜に月見たくて寝そびれてしまう
シ内部と外部入って見るとちがう見え方
添 入ってみるとちがう見え方内と外
スタイムカード押す前にコーヒーブレイク
添 コーヒーブレイク タイムカードを押す前に
セ単身赴任ひとり飯しレイニーブルー流る
添 レイニーブルー流れてぼくのひとり飯
ソ転勤族それぞれの空それぞれの人生あり
添 転勤族みなにそれぞれ空があり
タ眠る白夜カーテンの向う見えぬ月
このままで。
参 眠る白夜見えぬ月へとボクの恋
チサラ川は我が心にチクリ来る
添 サラ川はボクの心にチクリくる
ツ白夜に見る月影おぼろなり
添 月影のおぼろ白夜の国にいる
テ妻は盛りに隈なきをのみ見るものかは
「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」は、『徒然草』第137段の冒頭の句。
桜の花が満開になる瞬間だけを美しいと思うのではなく、蕾や散り際の様子にも美しさがあるように。月は満月のように明るい時だけでなく、雲に隠れたり、欠けていたりする時にも趣があるように。
「見るものだろうか」と疑問形で、そうではない、つまり、不完全な状態や変化の中にも美しさを見出すべきだということを強調。
この句は、完璧な状態だけでなく、不完全な状態や変化の中にも価値を見出すことの大切さを教える。人生における様々な状況や出来事に対して、偏見を持たずに、広く、深く、物事を見ることが大切だということを示唆している。
「花」を「妻」とした本歌取り。このままで。
トおさなごは月のウサギに声かけて
添 月のウサギにもおさなごは声かける
ナあの時の私と同じ今日の月
句意がよく分からない。
ニピースボートたくさんいるよ波平さん
句意がよく分からない。
ヌ雨もあり晴れた日もある月給日
添 雨もあり晴れた日もあるサラリーマン
ネ月を見る余裕のなさにあせる日々
添 月を見る余裕もなくてあせる日々
ノ旅に出て息子のメールたのもしき
添 息子(こ)のメールたのもし旅にでてみれば
ハごぶさたの友人からの宅急便
添 ごぶさたの友から嬉し宅急便
ヒ聞きたいことがあったのに月は上弦知らんぷり
添 聞きたいのに月は上弦知らんぷり
フ世の中に置いてけぼりの二人旅
このままで。
ヘさあ出番意地悪ばあさんほくそ笑む
このままで。サラ川。
ホ年老いた二人の会話的はずれ
このままで。サラ川。
マ民犠牲 国家防衛 名の下に
添 民の犠牲 国家防衛の名のもとに
ミ放射線エベレストまで汚染する
このままで。
ム間欠泉向けたカメラは水浸し
このままで。サラ川。
添(添削)・参(参考)ː 講師
たむらあきこプロフィール
日本現代詩歌文学館振興会評議員。
読売新聞和歌山版「よみうり文芸」選者。川柳総合雑誌川柳マガジン「川柳クリニック」現在執筆中。名草川柳会講師。元しんぶん赤旗「読者の文芸」選者、耐久生涯大学川柳専科講師。
著書に『たむらあきこ川柳集2010年』、『たむらあきこ千句』、『川柳作家ベストコレクションたむらあきこ』、『たむらあきこ吟行千句』、『令和川柳選書よけいにさみしくなる』ほか『前田咲二の川柳と独白』(監修)
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