(^0^) 名草川柳会(第4回勉強会)
2023/9/19(火)
⑴〈きのう〉か〈過去〉か
わたしは、〈きのう〉を多用する川柳作家といわれている。他作家(敬称略)の〈きのう〉を用いた句とともに10句挙げると。
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くちびるの棚を溢れてゆくきのう
物陰にゆらめいているきのうの訃
埋火の鮮やか転げでるきのう
行方不明のきのうが蛇口洩れてくる
どうしようもなくきのうが私を出ない
能面の緒ばかり拾うきのうの川 尾藤 三柳
ぎんなんを拾うきのうを待つように 天根 夢草
書いて消すまだ蠢いているきのう 瀬川 瑞紀
骨壺にきのうは遠き膝の上 前田 雀郎
きのう妻だった女と擦れ違う 鈴木 如仙
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〈きのう〉とはいつのことか。川柳に詠まれる〈きのう〉はたんに今日の前日の昨日とは違う。私が句に多用するのは、〈過去〉といういかにも手垢のついたことばをなるべく避けたいため。インターネットで検索すると、『きのうの影踏み』(辻村 深月)という本が出版されている。これも同様の〈きのう〉だろう。語源由来辞典には下記のように記されている。
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昨日は、正確な語源が解かっておらず、「すきのひ(過日)」の意味や、「さきのひ(先日)」の「さ」の略など多くの説がある。きのうの「う」は、どの説でも「ひ(日)」の転じたものとし、きのうの旧かなは、「きのふ」であることから間違いないと思われる。きのうの「き」は上記のほか、「きそ」「こぞ」など過去を表す言葉の多くが「き」や「こ」で始まることから、それらの音に通じるとする説や、「きしひ(来日)」の略転「きす」が「き」にあたり、「きすのひ(昨日日)」の略転を語源とする説もある。
現在では、今日の前日を「昨日」と言うが、古くは、今日からいつではなく、ある時点より近い過去という漠然とした意味で用いられていた。
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「ある時点より近い過去」というのは、私の句が心象句であることから、遠近を問わずどのあたりの過去であってもよいということになる。遠い過去も引き寄せれば昨日のように近くなるからである。(たむらあきこ)
⑵【鑑賞】
上記10句を鑑賞。
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⑶【実作&添削】
宿題:「ぬける」
つぎの勉強会のはじめに各自1句白板に書いておいてください。互評&添削。講師添削は各自記しておいてください。
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名草川柳会、お疲れさまです。
−〈きのう〉か〈過去〉か−
先生の句を含め〈きのう〉を用いた10句を鑑賞、出席者が四人と少ない中で、色々と意見を求められ、中々緊張した時間でした(汗)
また、〈きのう〉について先生の想いを丁寧に説明していただき、そのあと各自の宿題について意見を出し合い推敲しました。
仏壇の 奥に仕舞った 黒歴史 → 仏壇の 奥にきのうが 畳まれる
黒歴史 古稀を過ぎれば セピア色 → 古稀過ぎて きのうのことは セピア色
の拙句が、みんなで意見を出し合い推敲していく中でより昇華していくのは楽しいものでした。
推敲し句を高める力を身につける、これか大事ですね。
頑張りましょう。
井口廣司様
推敲していく中で作句力もついてきます。
いろいろな川柳があり、そのどれをよしとするかは川柳人によってちがいます。
この会では、文芸川柳を詠んでいただきたいわけで。
そのための推敲です。
句会に出かけることでますます川柳に興味もわき、楽しくなってくると思いますので、ぜひともいちばん近い川柳塔わかやま吟社に出席してください。
句会で腕を磨き、これからの生きがいとしていただきたいのね。
この道をご一緒に楽しみましょう。(^^)/
最高の趣味ですよ、川柳は。