じゃわじゃわじゃわ、しゃわしゃわしゃわ、蝉時雨の朝。
青空から打ち水のように雨が送られてきた。
葉月は秋なのだ。
ずいぶん澱んで、汚れている夕風。
真向かえないほどの夕陽にさらされている。
息苦しい空気のかなたに、あなたがいることで、夜まで耐えている。
あなたは小宇宙、私も小宇宙。
この宇宙が消滅すると、その破片が誰かの小宇宙で浮遊する。
空しいと考えますか、いとおしいと思いますか。
人にも神にも死がある。
死ぬことは、消えることではない、多分隠れることなのだろう。
山に、岩に、雲に、そして草葉の陰に。
記憶の分身、親子とはそういう意味にすぎない。
去ることもまた、記憶の開放にすぎないと言えばあまりに切ないか。
この世の者にも、隠れた者にも、十六夜の月光が明るい。
人が去ったあとに残っているもの、風にかき消されそうなもの。
数知れない魂の軌跡が夜の宇治橋の上にある、星降るように。
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小堀 邦夫(こほり くにお、1950年9月6日 – )は、日本の神職、作家、詩人。元靖国神社宮司、元神宮禰宜、神社本庁参与。(Wikipedia)
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