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「らくだ忌」第2回川柳大会作品集発表誌から11句
無い袖のあたりはきっと晴れている  大嶋都嗣子
 大会当日は雨だった。この句を読み返すたびに、青空がのぞき光が差した。無いことへの潔さ。これほど気持ちのよい無い袖はなかった。難解な句も多いなか、シンプルすぎとも感じさせる表現の潔さにも惹かれた。(選者:八上 桐子)

淡墨桜 あわ立つ顎がよってくる  たむらあきこ
夢殿を二周半して戻れない  江口ちかる
春泥や女系家族の夕ごはん  宮井いずみ
今やっと冷静に拾う父さん  青砥 和子
 「やっと」と言えるまで、どれくらいの時間が必要だったかを考えただけで胸が痛くなる。この句は火葬場で骨を拾ったという句ではなく、何年も経過して、やっと家中にある父の欠片を片付けようという気持ちになれた句ではないだろうか。私はまだ父の欠片を拾うことができずにいる。父の筆箱の中の鉛筆もそのままの形で並んでいる。(選者:真島久美子)

天日干ししたまま一昨日の私  真島  芽

… 川柳に何を求めているのか、川柳で何を表現しようとしているのか、などは人それぞれ。また、どのような川柳を理想としているのか、どのような川柳に興味を持っているのかも人それぞれ。私自身は「平明で深い」句を理想としているが、平明を目指せば独自性の無い平凡に、深くを想えば難解に陥ってしまうジレンマを抱えながらぼつぼつ歩んでいるところである。
 そのような状況の中、数年前から「おもしろい」と感じているのが、「ナンセンスユーモア」の味を持った川柳。「ナンセンス」の意味は幅広いが、「川柳の味」として感じているのは作者からの押し付けがましいメッセージが希薄であり、論理的な説明が付かないおもしろさ。いわば、ポンと放り投げて「好きなように味わって下さい」とでも言うような心地よい軽さに惹かれている。… (新家 完司)

裏切ったのはらんちゅうのほう春の辻  江口ちかる
うつしよという島にまだつながれている  たむらあきこ
明け方の森で探していた乳首  富山やよい
(ころ)ころころ心 空(から)からから体  森井 克子
 一読したときに(ころ)(から)のルビは不要ではないか?と思った。しかし作者はこのルビを含めて一句とした。「こ」の音を続ける前半、一文字空けて「か」の音を続ける後半、フレーズの頭すべてに韻を踏んで「音遊び」をする。その旋律がまことに心地よい。転を(てん)、空を(くう)と読まれると作者の意図がずれてしまうのだ。…(選者:くんじろう)

背面は涙開きと申します  山田ゆみ葉

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