いままでに得た最高の贈りものとは、「自由」である。自分の時間があるということである。「肩の荷を下ろした」と言い換えることが出来るように思う。
わたしは責任感の強いほうだと思うが、息子がまだ幼い頃にシングルマザーとして生きることを択んだので、子育てはほぼひとりでの闘いだったのね。同時に生活のための仕事をしなければならなかったので、自分の時間というものがあまりなかった。
やっと息子が大学生になって、下宿することになり家を出たのね。しかし、ほぼ入れ替わるように父の介護が始まった。子育てや親の介護など、義務を果たすということは、それをどう受け止めるかは別にして束縛をともなうのね。
父は愛犬2匹(♂♂)を残して逝ったので、その世話に隔日自転車で紀ノ川(一級河川)を渡らなければならなかった。広い庭で放し飼い(犬小屋も三つあるのね)、自由にさせていたので2匹とも長生き、18年か19年くらいまでも生きたのね。行った日はほぼ実家に泊まるので、朝玄関の戸を叩いて「開けて」と催促するのね。寒かったり暑かったりの夜は玄関に入れて寝かせると、翌朝鼻を押しつけて起こしに来た。可愛かったのね! 餌もいいものを与えていた。
2匹ともいなくなると、実家へは風通しにだけ通うようになったのね。それで、さびしくもあったが、正直楽にもなったのね。離れたところで生きものを飼うのは大変なこと。いまこの年齢になってあとのことをいろいろ考えると、生きものは飼えない。わたしがいなくなったら、世話をするために誰かを束縛することになるからである。
誰しも、自分が必要とされる場所で、そこをたがやして生きるしかない。つらい日々も、嚙みしめるように前向きに生きてきた。いましばらく暮らしの中のささやかな「自由」を楽しみたい。
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