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2019年10月15日 14時24分(NHK NEWS WEB)
台風19号による豪雨で甚大な被害が出ています。今回の災害で亡くなった人は66人となり、堤防の決壊は、47河川の66か所に上っています。しかし、被害の全容はまだ分かっていません。

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『古事記』は次のように記す。 

 …国稚(わか)く浮きし脂(あぶら)の如くして、海月(くらげ)なす漂(ただよ)へる…
 日本は「クラゲナスタダヨヘル」国、すなわちクラゲのように海上に漂う国土と考えられていた。地震、津波、噴火など、天変地異はこの国の宿命ともいえるものかも知れない。そんな国に住む日本人が、大災害に遭いながらもこの国土から逃げることもかなわず、忍従してきた。そういえば日本文学は天変地異に満ちている。
 東日本大震災もけっして想定外のものではなかった。40年、あるいは80年ごとに三陸海岸には大津波が押しよせ、多数の死者や行方不明者が出ているという。天災は忘れた頃、油断した頃にやってくるのだ。
 津浪の町の揃う命日》という句が残っている。命日がおなじ理由を尋ねると、かつてその地を津波が襲ったことをだれかが教えてくれたのだろうか。東北沿岸を襲う津波のニュース映像を見てからは、この句のうしろにある阿鼻叫喚、不安やそのあとのもっていきどころのない悲しみが分かる。結局句の鑑賞も読み手の経験を出ないということかも知れない。遠方にあって瓦礫の街に思いをよせ、佇み、ささやかに数か所で寄付させていただくことしかできなかった。
 大震災の翌月?、東京の川柳公論表彰句会?にでる前日、宿泊先のホテルでビルごと揺れる余震を体感したのだった。われわれは天災を奇貨として生活や思想を鍛え直し、再建と新たな発展にちからを注がねばならない
 川柳人は災害のあとまず川柳に想いを定着させていく。つぎは、故・尾藤三柳師の 東日本大震災を詠んだ38句。
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 東日本大震災          尾藤 三柳
(地震)
霊長の尊厳奪い去るマグマ
祈るしか術なし眼前が裂ける
脱力の五体に限りなく余震
ずたずたのレールを舐めていくレンズ
飼い犬も余震に覚めぬほどに馴れ
(津波)
水の壁人間はかく無力なり
日本語をTUNAMIと書けば恐ろしき
町一つ泡より軽く浮き沈み
屋根が車がミキサーを見るごとし
廃船の舳先が屋根に乗り上げる
音のない水が剥がしていく廃墟
水の歯が北の道路を噛み千切る
水溜まり家族の顔は映らない
(原発)
原発にかもとだろうが多すぎる
ドレミファのように建屋を漏る煙
原発の野性を目覚めさせた揺れ
爪痕をゆっくりと這う放射能
真っ先にほうれんそうが牙を剥く
(政治)
M9に寒い政治の及び腰
丸暗記みたい総理のメッセージ
放射能政府の口が重くなる
国難はともあれ四月には選挙
死に体に手を貸す大同はゴメン
海のつめ低体温を置き去りに
(避難所)
避難所の無邪気を抱きしめる余震
生き残り証書いただく窓の雪
確認という手続きが要る生死
絶望に臥して覚めれば何も無し
(その他)
壊滅の町をまんべんなく白魔
奇跡的生還を聞く痺れた耳
被災報告三日目からは節がつき
埒もなく答える学者専門家
海底の悪魔は三度名を換える
(東京では)
東京は棚のダルマが転げ落ち
東北の揺れで渋谷に夜の群れ
避けられぬ義理運休を乗り継いで
センバツの画面が続いてる虚ろ
生き過ぎて終の廃墟と二度出遭う
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