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 ・屍のゐないニュース映画で勇ましい     鶴 彬
 ・万歳とあげて行った手を大陸において来た   ゛
 ・手と足をもいだ丸太にしてかへし       ゛
 ・胎内の動きを知るころ骨がつき        ゛
 鶴彬は昭和十三年特高警察に検挙され収監中に病死する。この当時にあってこれだけの反戦詩を書き得たのは、短詩文芸では川柳だけではないかーー。川柳の持つ直線的な表現だからこそ鋭角的な批評が可能となったのであろう。鶴彬はこれらの作品を創ったことにより検挙された。
 ・パチンコ屋 オヤ 貴方にも影がない     中村冨二
 ・千人の爪の伸びてゆく 静けさ        ゛
 ・わたしの影よそんなに夢中で鰯を喰うなよ   ゛
 ・たちあがると 鬼である           ゛
 中村冨二は、故人であるが代表的な現代川柳作家である。この作者は、自己を咀嚼しもう一度吐き出して、その己れを冷ややかに見つめる。パチンコ屋の貴方は同時に自己の姿である。あるいは千人の爪は、千人の中の一人の自己を含む、生きているものの哀しみと凄絶さを象徴的に描き出す。それはまた鬼である己れでもある。
続きは次回

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