※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。平成9年分はこれで終わりです。どこにもなかった横綱の川柳が初めてみなさまの目の前に。それも約二千七百句。本格川柳、川柳の王道のような一句一句を勉強させていただきながら抄出いたしました。同時に多くの方々が写しておられるようです。これから出版社と相談、どのようなかたちで遺すかを考えてまいります。平成3年までと平成18年以降の作品がもしお手元にあれば、お貸しいただきたくお願い申し上げます。先生のお写真、関係の柳誌などなんでも、あればお貸しいただけたら幸いに存じます。(午前4時42分)
『前田咲二遺句集 平成9年』【35】
人間国宝なお矍鑠としたいのち
神経があるのかようもずけずけと
ベテランの吐息をきいたことがある
男ひとり皿を汚さぬように食う
割り勘分だけはきっちり食べる下戸
カタカナに振り回されている文化
オイと呼ぶとお茶を運んでくる味方
妻の書くドラマにぼくが出てこない
決断をためらう影を置きざりに
珈琲カップの上で火花が散っている
傾いた羅漢お前も淋しがり
河内弁 九官鳥に教えこむ
一人隔てて美しいひとと居る
死んだふりすると他人が寄ってくる
ゴミ袋ぶら下げ部下に会う不運
土井さんが手でつかまえたお星さま
別れ話が煮詰まっている鍋の底
一つずつ余生の石を積んでゆく
長生きしてやろう政府がその気なら
肩書きをなんにも書かぬのも機転
二た言三言交わし勝負がつきました
命名の孫の名前を高く貼る
本心をかくす口数多くなる
たとえばの話に見えている本音
へたな歌手よりもうまいと褒められる
人前で泣ける勇気がありますか
悔いてばかりいるわたくしの影法師
医者が匙投げたにしては艶がよい
底抜けに明るい人といて疲れ
どん底で思わず妻の手をつかむ
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