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2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。一昨年の9月4日、先生からの最後の電話を忘れることができません(9月27日に亡くなられたのね)。「瀞峡へ行くんか。ええとこへ行くんやな。おれも行きたい」と叫ぶようにおっしゃった先生。瀞峡で、海軍兵学校当時の友人たちと四人で舟を漕いで遊んだ話をされたのね。「親友や」と。

前田咲二遺句集 平成9年』【28】
孫留守のひとりたまごっちで遊ぶ
鬼も仏も誘ってくれぬひとりもの
左翼小説むさぼり読んだ 青かった
戻らない老母を探しに宵の街
泣いている鬼の背中を見ましたか
定年後 鬼が探しにきてくれぬ
ぼくの打球にラッキーゾーンなどいらぬ
冴えている男と同じ馬券買う
鉄鍋でないと湯豆腐とは言えぬ
熱き血潮そんな女にまだ逢わぬ

ほっかむりしとけ大したことじゃない
おまへんか女がいやになる麻薬
あと十年生きても同じ朝だろう
朝めしを軽く考えてはならぬ
ぼくが起きるころには朝が眩しすぎ
年下で耳のきれいな男です
正直な男をチームから外す
膝の上に猫のくしゃみを抱き上げる
立春の鍋が光っているひとり
忘れ上手で女を傷つけたりしない

門灯の明りでネクタイを直す
納豆の糸より細い絆です
がんこ寿司の看板強そうな顔だ
運の強い男が運を信じない
春一番の駅で自転車を起こす
一と晩たつと答が変わるかもしれぬ
威張らせておくわたくしのてのひらで
わが家から亡命したいときがある
まだ更地ですかと地虫顔を出す
たったひとりの岬に海が広すぎる

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