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2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。先生はふだん自炊をしておられました。京阪寝屋川市駅で降り、たまにイズミヤでの買い物にお付き合いすることがあったのです。慣れたようにカートを押してさっさと買い物をしていかれる先生は当然物価を知っておられ、そのことを時事川柳の選にも活かしておられました。
前田咲二遺句集 平成8年』【24】
明星よひとりか俺も人嫌い
降る星よ今日いちにちをありがとう
天六を出て地下鉄が梅雨に濡れ
ぼくの青春だったSLの黒煙
祝辞の中で言っておきたいことがある
会者定離 何人友を送ったか
どの女よりも遅れて逝くつもり
鍵っ子に夕陽がさむい貌をする
ほどほどの男とほどほどの暮らし
亡父の煙管はよく光ってた欲しかった

波乗りの下手な男に従いてゆく
正論にもアキレス腱があるはずだ
茄子摘んできたエプロンが丸く濡れ
周防婦人会日の丸よエプロンよ
八方美人の男つまんで火炙りに
一戦一戦男になってゆく球児
昔から名前を呼んだことがない
もうそろそろ金婚だなあ水虫よ
全集を日日点滴のように読む
妻交換の乱を伝える新遺稿

テレビの音でわかる阪神勝っている
イチローの守備が外野を狭くする
傷心の俺につきまとうな 月よ
窓を開け放つ 鬼にも仏にも
かけ違えた釦がストレスを溜める
山頭火の姿 樹となり草となり
シベリアの話はしないループタイ
火を宥め風を宥めてワイン注ぐ
もひとりのぼくが愚かな酒を飲む
一汁一菜こころに守るものがある

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