※時間がないので、少々急いでまいります。(平成13年度分はこれで終わりです)
『前田咲二遺句集 平成13年』【27】
長生きをしてやる国がその気なら
優しさに囲まれ爪が伸びてくる
うまそうにわたしを皿に盛りつける
人波の中に写楽の顔がある
息苦しくなれば別れるまでのこと
少年兵の骨も藻屑と呼びますか
髭のないビンラーディンとすれ違う
償いに鱗一枚さし上げる
美しい日本語 声を上げて読む
誰とでも仲よくなれる糸をもつ
つばき沈丁みんな痛みを抱いている
儲かってまとやけくそのように言う
明星よお前もおれも人嫌い
オサマビンラディンになんで氏をつける
君が代を知らない人が抱く賜杯
女から恨みを買ったことがない
目に見えぬ鎖に繋がれて揺れる
やがて別れる仲と湯呑みは知っている
俺が決めたルール文句は言わせない
一度だけ女と泣いたことがある
亡父に似た柱時計に叱られる
物干竿に冬の日射しが乗っている
砂時計の砂がだんだん熱くなる
十二月の暦 炎を上げている
自信がないので大声を出している
化粧する男も せぬ女も 嫌い
戦って女に勝てる筈がない
闘争の形に立っている冬木
酸欠の空気に慣れてゆく怖さ
残り少ない暦が決断を迫る
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