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 すこし休んで気力が整った(充実、とまではいかない)ので、昨夜前田咲二先生自筆の遺作(出版社から先月19日付けであきこ宛てに段ボール箱入りで発送され、翌日受け取ったもの)を手に取り、拝見。本日夕方ドトールに持ち込んで、集中的に選句にかかる。先生は入選句も没句もきちんと残しておられる。
 なつかしい先生の達筆を眺めながら、選句にあきこの全力をかけることを誓った(パソコンの待ち受け画面も先生、まいにち会っているのね)
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 ドトールにてまず、出席できるかどうかは分からないが、6日の川柳塔まつりに向けて半時間推敲。あと一時間で先生の句を選ぼうとして、つい読みふけってしまった。作為のあとの見えない自然体の味わいのある句で、表紙(写真上)には「平成10年」とある。俳句、短歌とつづき、さいごに川柳に取り組まれてほぼ十年目、古稀の頃の、ほとんどはユーモア句。下に30句を抄出。(先生は〈(川柳の)横綱〉と称えられましたが、新聞投句中心だった俳句、短歌においても驚異的な結果(毎日俳壇(だったか?)、特選数年間70回など)を残しておられます)
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前田咲二遺句集(仮題)】
(平成10年1月)
ほんまにきいてくれてまんのか戎さん
犬とわたしの顔見比べてなぜ笑う
ようあそこまでも見事に惚けられる
亡母のおでこの体温計がなつかしい
金を下ろしにきた大黒とすれ違う
新しい暦へ惚けがまたすすむ
親からもらったほかに三つの名前もつ
従いてくる妻も自分の旗をもつ
日の丸の名誉回復いつ終わる
辞書にそう書いてあったと譲らない

暇さえあればわたくしは紀伊國屋
まだ妻に頭を下げたことがない
正月をすこし飾って喪に服す
わかってまそんなに念を押さんかて
追伸で も一度念を押しておく
月給運搬人にも誇りあるのです
高濱虚子の句箋をいまも持っている
大切なひとの誇りを大切に
(平成10年2月)
いくつになっても甘い話へ途中下車
お隣も仕事に行ってないみたい

ありがとうがしぜんに言えた恢復期
バードウォッチングわたしも鳥になる
うまい具合に日曜のお葬式
ボス猿のふぐりなるほどなと思う
糸の切れた凧が北新地を歩く
神童と呼ばれた頃の賞状だ
極細の糸でしっかり愛を編む
ありがとうと妻に言うのはまだ早い
妻子にもまだ本心は言うてない
嫁ぐ気はないが会うだけ会うてみる

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手のなかに師・前田咲二❶‥20年前の作品30句を抄出”にコメントをどうぞ

  1. 前川奬 on 2018年10月5日 at 7:26 PM :

    たむらあきこ様
    今しがた貴ブログ「手の中に師・前田咲二➀・・20年前の作品30句
    を抄出」を拝読し、「お気に入り」へ移し、保存しました。
    わたしの待ち焦がれていた故前田咲二氏の20年前の川柳30句に接する
    ことができ、嬉しく思います。
    これらの句は、後ほどわたしのノートの「前田咲二句集」に書き写し、じっく
    り味わいたいと思っています。
    有難うございました。
    前川奬

    • たむら あきこ on 2018年10月5日 at 8:21 PM :

      前川奬さま
      結局、先生の句はわたしのもとに来ました。
      時間がかかりましたが、これも何かの意味があることでしょう。
      じっくり味わいたいと思います。
      句集によっては、一冊の中に採れる句が一句もない(あきらかな欠点がある)という場合も多いのですが、さすがにわずか二か月分の中に30句もひろい上げることができました。
      これから時間がある限り少しずつアップしていきますので、勉強するつもりで読んでいっていただけたらと思います。(あきこも勉強しながら、です)
      その中から何句を遺句集に収められるか、さらにあきこの眼で絞ってまいります。
      わたしの「吟行千句」と同時進行としますので、体調に気を付けながらたたかってまいりたいと思います。
      どうぞ、続けてごらんになっていてください。
      間違いのないように、入念にひろい、写してまいります。
      長らくお待たせいたしました。(__)

  2. 一歩 on 2018年10月6日 at 12:19 PM :

    難しいことは私には分かりません。
    が、心、魂、心底からすらっと「吐く」という感じが、
    私にもじわり伝わってきます。
    それは、人間の真因を突くというか。さらり吐露するというか。
    (大先生の句に対し、ご無礼申し上げました)

    • たむら あきこ on 2018年10月6日 at 10:19 PM :

      一歩さま
      これから、真摯に先生の句と向き合いたいと思います。
      作為のあとが見えないというのが、凄いと思うのね。
      どんどんアップしてまいりますので、前田咲二ワールドを楽しんでいただけたらと思います。

      上に言葉を選んで書いていただいていることが、あきこにも伝わってまいります。
      先生を遺したい、と思います。
      体調に気を付けて、やり抜こうと思います。

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