川柳が、一般に詩や短歌や俳句に比肩する文芸とされるには、日常の表層の事象を詠むだけではなく、潜在心理までもふかく凝視するような作句姿勢が必要となる。古川柳の三要素の一つ〈うがち〉は〈穿ち〉で、もともとの意味は穴を開けること。表面からは見えにくい事象、常識的な角度からは見落とされるような事象にまで目を向け、その仮面を剥ぐなど、意地の悪い視線ともいえるが、それが川柳の文芸的特性である風刺や批評性につながっている。ひと言でいうと〈寸鉄〉。短いフレーズで急所をつく、すなわち穿つのが川柳。
〈説明句〉という表現があるが、句の内容が単なる報告に終わっている場合につかわれている。とくに下五に意外性がなく、状況の説明にしかなっていない句がよくある。推敲、さらに没句の検証は修練が要るものなのである。
川柳の三要素と言われるのが〈うがち〉のほかに〈軽み〉〈おかしみ〉だが、もちろん発祥の江戸時代から言われているわけではない。 明治になって阪井久良伎が狂句を否定し、文芸性のある古川柳に定義付けしたもの。多くが匿名の古川柳と現代川柳とでは、〈うがち〉にしても内容が違う。〈軽み〉〈おかしみ〉も然り。詠む対象が人間の複雑な内面にまで広がった現代では、三要素が川柳の金科玉条というわけではない。
わたしの川柳は全体的には現代川柳の中の〈詩性川柳〉というジャンルに分類されるが、〈うがち〉はあっても〈軽み〉〈おかしみ〉はあまりないと評される。川柳の「ほんとうのことを言う」とはもちろんほかの文芸同様単なる事実ということではなく、フィクションに〈にんげんの真実〉が詠み込まれているか否かということが問われる。
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たむらあきこ様
今日の貴ブログ、身に染みて読ませてもらいました。
猛暑の折、くれぐれもご自愛ください。
前川奬さま
ありがとうございます。
この猛暑、あなた様もどうぞお気を付けて。
明日から北海道、札幌吟行と大会を兼ねてまいります。
前田先生のことを思う度、あなたのことも思っています。
「よみうり時事川柳」の入選作を私宛に送っていただけませんか。
差し支えなければ、それをブログに掲載したいと思います。
了承していただけるようなら、073-432-7326までファックスいただけたら幸いです。
(このコメント欄に、掲載の年月日を添えて書き込んでいただいても結構です)
たむらあきこ様
お心遣いありがとうございます。
2010年から現在までの入選句(秀句)掲載日の読売新聞
関西版の切り抜きは全て保存していますが、貴ブログに
載せて頂くほどの句ではないと思います。
貴意は有難く拝受し、お礼申し上げます。
なお「よみうり時事川柳」は選者が変わっても投句を続けて
います。
たむらあきこ様
追伸
貴意に添えず、すみません。
前川奬さま
「よみうり時事川柳」欄をいまは全然見ていないので、存じませんでした。
失礼いたしました。
「この欄は、日本の最高の柳人が担当せなあかんのや」と前田先生が生前おっしゃっていたのね…。
お心に添えなかったことを、いまも申し訳なく思っています。
選者が変わって、投句者が減る一方だとか。
前田先生のときは、あっという間に投句者が二倍になったのですが(笑)。
選者の実力や川柳以前の「こころ」が、投句者にもなんとなく分かるのでしょう。