佐渡金山吟行35句 (2018/6/25)
矢印は金山の江戸 蟻の巣へ
感嘆符つけて山師になってゆく
佐渡金山のてのひらの中
宗太夫坑にきのうを掘りおこす
鏨跡 きのうの音を引きよせる
割られつつきっともがいていた割戸 (写真:道遊の割戸(どうゆうのわり(れ)と))
きのうは割りきれない道遊の割戸
露頭掘跡が無残を彫っている
地下深くきのうのはらわたに潜る
わたくしの途中がだんだんと冷える
無宿人の墓が誰かをまっている
三段に重ねた石の下の無宿
一枚岩を三段に積み閉じるやみ
水替人足の中ぶらりんの足
くみあげる湧水きのうの音だろう
人別帳をはずされ昏(くら)い夢となる
トキも無宿人も乱獲されたのか
二十八人に向きあい掬いとる
外された人別帳に立っている
青柳間歩(あおやぎまぶ)を運ぶぼつぼつ
欲のつづきのように鉱脈露出する
道遊の割戸に拾うやみひとつ
きのふもけふも金(こがね)への欲
欲望の残滓か道遊の割戸
いまもなお坑内にいる宗太夫
斜坑掘り奥へおくへと翳りゆく
人形七十二体とながい話する
きのうのことを七十二体が声にする
遊郭跡もあって嬌声
流刑地のむかしへは入らぬ山師
鏨跡のそのまま坑道にのこる
順徳天皇の封印される島
億岐州佐度州 五番目の双子
国生み神話の佐渡のS字が海に浮く
流人の島のきのうの世阿弥 青い花
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