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   灰よせの ころりとひろう阿頼耶識      尾藤一泉
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【鑑賞】 
火葬ののち、灰をかき寄せ遺骨を拾う「灰よせ(灰寄せ)」。骨(こつ)あげ、骨(こつ)拾いとも。火葬後に行われる作法のひとつで、地域によって多少違いがあるようだが、箸で遺骨を拾い骨壺に納める。三途の川を無事あの世へわたれるよう、橋渡しをするという想いが込められているらしい。ご遺族が集まり、係員の指示に従ってご尊父のご遺骨を囲む。
 拾ったのは骨ではあるが、父の「阿頼耶識 (あらやしき)」である。川柳界の第一人者と称えられた父。三笠-三柳-一泉と三代続く柳人の家系で、厳しく薫陶を受けた師でもある父の、まだ熱のこもる骨。最後の教えででもあるかのように「これが私だ。私のたましいだ」と作者に語りかけてくる。
 肉体は死ねば滅びる。ところが仏教でいう「阿頼耶識」は肉体が生まれるずっと前から 肉体が滅びても滅びることなく続いているという。果てしない過去から未来に向かって流れていく、その中の父の「阿頼耶識」を自身に直接つながるものとして「灰よせ」の場でしかと受け止められたのである。川柳の家系に於けるたましいのレベルでの「父子相伝」。
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