昨年10月19日、尾藤三柳先生が逝かれてから、文学賞に応募することへは急速に関心がうすらいだ。自分でも驚くほど。「咲くやこの花賞」にも先月はとうとう出句せず。この傾向は、しかしよいとは言えない。川柳作家にとって、作品を出したい選者を見失い、句を「吐く」(川柳では、句を吐くという)気力を失うということは、生きる気迫にも大げさではなく欠けるところが出てくる。
一度はやめたこともある川柳マガジンクラブ誌上句会も、月々出句することで元気をもらい、支えられている部分がある。清記選、かつ発表まで選者名が伏せられているところがよい。新葉館出版さんのいろいろな面での工夫の跡が感じられる。考えようによっては、〆切に追われるということも生きている証。この誌上句会から藤原鬼桜さんの名が消えたことが悲しい。昨年末から気持ちの揺れ動くことが幾つも重なり、そのことがいろいろな面で心境に変化をもたらしている。
下記は 第15期での入選22句。「年間入選回数最多獲得者」のタイトルをいただく。ご参考まで。(第1回から第11回までは2人選。第12回は4人選)
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砂の城の中にわたしを眠らせる(「サスペンス」熊谷岳朗選 七客)
匿名が善行さらにかがやかす(「善行」宇部功選)
こじれるのがいやで傍観者になった(「こじれる」大森一甲選)
わたしの中だけがこじれているらしい(「こじれる」髙田美代子選)
いのち一閃にぎり返して逝きました(「瀬戸際」太田紀伊子選 人)
瀬戸際を探ってロボットに当たる(「瀬戸際」西恵美子選)
あなたなら骨を抜かれてみたくなる(「骨抜き」田辺進水選 九客)
あなたなら骨を抜かれてみたくなる(「骨抜き」松代天鬼選)
父母の犠打のうえにわたしが立っている(「犠打」木原広志選)
犠牲打のあとに生まれる太い虹(「犠打」長谷川酔月選 九客)
矢印の太さに引き摺られている(「ずるずる」荒砂和彦選)
矢印の太さに引き摺られている(「ずるずる」安田翔光選 天)
すこしずつ落ちゆく蜜月の明度(「熱々」石田一郎選)
つれなさへ鎌の月までついてくる(「白白しい」大野風太郎選)
他人行儀のコトバが悟らせる別れ(「白白しい」鈴木順子選)
何もなかったように檄文だけ残る(「ハード」菖蒲正明選)
鏡の中の老いがわたしを怯ませる(「ひるむ」広兼秀子選)
群れをでる独りときどき立ちすくむ(「ひるむ」山本由宇呆選 天)
肉薄の吐息は刺客かもしれぬ(「肉薄」赤松ますみ選)
肉薄の吐息は刺客かもしれぬ(「肉薄」大野風柳選)
わたくしの闇がわたしを圧してくる(「肉薄」新家完司選)
肉薄の吐息は刺客かもしれぬ(「肉薄」竹内ゆみこ選 九客)
※上記22句のうち、太線5句を今年出す川柳集に収載予定。
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