Loading...Loading...

たむらあきこ写真 選も、何度もさせていただいていると、投句者の字を覚えてしまうということがある。もちろん覚えていない方がほとんどなのだが。独特の字、例えば 森中惠美子、前田咲二ほか何人かの先生方の字はどうしても分かる。覚えないようにしていても、覚えてしまっている方は多いことだろう。

 そういう(大家の)字の句箋を手に取ったとき、選者はどうするか。やはり何度かは読み返してみる。気になる、というのは仕方がないことだろう。私の選で、うちの会長の句と分かった場合はどうするか。気を遣わせないように字を変えておられることもあるが、そこは編集部でいつもご一緒しているので、まず分かる。注意深く何度も読んでみるが、ダメ、と判断したときは捨てる。

 5,6年前の夜市川柳大会だったか。とうとう2句とも没にしてしまった。会長が何もおっしゃらないので、そのまま編集部一同、帰りに堺東駅近くのいつもの「そじ坊」で蕎麦を食べて帰った。そのあとかなり経ってから、選のことで会長と電話で話をしたことがあった。

 「前にね。大会で先生の句を二つとも落としたことがあったでしょ。でも、先生は何もおっしゃらないで、ふつうだったし」
そんなことを考えると、先生に出会えたことをとてもありがたいと思っているのね

オレは怒っている
えっ!? 嘘やろ
ははははははは

  
 というようなことだっただろうか。もちろん「オレは怒っている」は冗談どんな高名な方の句であっても、選に関係はない。選者の良心にかけても、落とすべきは落とす。これが選の公平ということ。こういう会話ができるんですよね、会長(仙人)とは。ありがたいことだと思っています。

 編集同人が大会の選者を務めるときは応援に来て下さるのだが(最近はご多忙のため、来られないことが多い)、真剣に詠まれると、あとに続くレベルの句がまずないので、どうしても秀句に採らざるを得なくなる。下記は、数年前の大阪川柳大会での秀句。

   ひらがなの衣裳で昂(たかぶ)りをつつむ      前田 咲二(お題:衣)

 この句は、夜中に読売新聞社の仕事を終えてから、当日私が大会の選者を務めるということで、そのまま眠らずに詠まれたとか。大会会場の座席で意識がなくなり、倒れられた。呼名がなかったのは、そのため。隣に座っていた柳友が介抱して下さったらしい。誰にでも詠めるような句ではない。手にした途端唸ってしまうような文芸川柳、としか申し上げられない。

ポストする LINEで送る ブックマーク
❤️ ひざポン
ありがとう!

気軽にポチっと
どうぞ(無記名)

選の公平ということについて”にコメントをどうぞ

  1. 木戸 利枝 on 2016年3月28日 at 10:50 PM :

    あきこ先生ご無沙汰しております。骨折とか...如何ですか?
    桜便りも聞かれる頃になりましたのに。ちょっとしたことが大事になって!
    カルシュームを沢山吸収してください。近ければお手伝いいたしますのに残念です。
    充分にご養生なすってください。
           利 枝

    • たむら あきこ on 2016年3月28日 at 11:48 PM :

      木戸 利枝さま
      お久しぶりです。

      少しずつ痛みも取れてきているのですが、まだ立つとワッと痛みが走ることもあります。
      体重がかかるとそうなるので、杖も買いました。
      自室にカンヅメなので、折角の三月を楽しむことができなかったのが残念。
      それと、階段がすっかり怖くなってしまったので、これから駅もエレベーターで移動することに。
      どうか、利枝さんもお気を付けて。
      一度あったことは二度あるかも、ですので、より慎重に歩くことにします。
      懲りました。 コリ(>_<)ゴリ~

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K