
瀞ホテルから見下ろす瀞峡を走るウォータージェット船

瀞ホテル

瀞ホテルから見下ろす瀞峡
…ここは三重・奈良・和歌山の三県が接する地点だが、わたしの立っているのは奈良県十津川村の田戸という。山腹の家の燈火があかあかとしていて、霧の流れがみとめられる。(『殘櫻記(ざんおうき)』より。著者はあきこの亡父。大正15年、東京都に生まれる。昭和59年3月発行)
父の遺した著書を読み返し、地名ほかをたよりにいろいろと調べてみた。上に抄出の一文は小題「瀞 あかとき あけぼの」として昭和54年の「紀ノ国処処」(南海電鉄誌「南海」)に連載されたものの中にある。この地には一人で取材に訪れたのだろう。娘のわたしが言うのもなんだが、書き写してみると隙のない名文。文章のイロハを父に教わったのは十代の初め頃だったか。いまから考えると折々そういうことを心がけていてくれたということが分かる。
いろいろ考えて、父の瀞峡での宿泊先はまず瀞ホテルだろうということになった。その佇まいを見ると、父の好みにも合っている。ここを訪問しようと思うが、現在ホテルとしては営業していない。カフェになっているようなので、時間的に叶うなら瀞峡を見下ろす席で評判のジンジャーエールをいただきながら、父の影に影を重ねてきたい。
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