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 近くの美容院で髪をカット、あとビルの地下の温泉「ふくろうの湯」に浸かってきた。年の瀬も30日ということで、美容院も温泉も比較的空いていた。
 わたしのなかの“気魄(きはく)”のようなものが萎えかかっている。身のうちに風が吹きわたっているようなむなしさがある。埋めるには、いまのところ温泉くらいしか思いつかない。できれば山の中の龍神温泉まで出かけて二、三日浸かってきたいとも思う。
 否。むしろ街なかの温泉でいいのかもしれない。すぐそこにすぐに戻れる生活空間があるのだから。
 冷える理由に、この冬の厳しい寒さも当然ある。身体と心にしみとおる寒さ。光陰矢の如しというが、夢のようにはかなく十年の歳月も先生も消えてしまった。これからたたかっていかねばならない道に、独りの影が、毅然とではなく呆然と佇んでいる。

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