わたくしを抱いているのは神だろう(前田咲二)
人形の傷みはわたくしの痛み(前田咲二)
わたくしの裏をきれいに掃いておく(前田咲二)
わたくしの干潟が満ちるまで遊ぶ(前田咲二)
わたしと犬 いぬと私の距離である(尾藤三柳)
わたくしも壺も素焼きのままでよし(大西泰世)
わたくしのために開いてる映画館(髙瀨霜石)
墨をするわたくしを摺るひとつの詩(斎藤大雄)
わたしだけに聞こえる風の音がある(雫石隆子)
火を植えてわたしは秋を通過中(雫石隆子)
ティーカップの底にわたしの解放区(雫石隆子)
ほうたるもわたしも夢を曳いてゆく(雫石隆子)
ペンだこよわたしを恨むことなかれ(大野風柳)
筆洗うひとときわたくしを洗う(大野風柳)
天皇がいるわたくしがいる叙勲(大野風柳)
目印にどうぞわたしの泣きぼくろ(赤松ますみ)
狂えないわたくしを見る桜の木(赤松ますみ)
わたぼこりのようなわたくしのような(新家完司)
わたくしがすっぽり入るゴミ袋(新家完司)
街頭の影わたくしと野良犬と(新家完司)
わたくしの匂いになってきた書斎(小島蘭幸)
わたくしの影がわたしにへばりつく(嶋澤喜八郎)
わたくしを海と山とに分けている(德永政二)
ここまでは水でここから私です(德永政二)
わたくしの掟はわたくしが破る(太田扶美代)
裏返しするともう一人の私(菱木誠)
あの日から私の芯が揺れている(菱木誠)
ウインクは私のちょっとした賄賂(もりともみち)
ふっ切れて私に戻る息になる(目黒友遊)
わたくしをまるごと盗む蝉時雨(水品団石)
わたくしの続きに顔をだす干潟(以下、たむらあきこ)
訃へ影はもうわたくしの中に棲む
影長くなるまでわたくしをみがく
煩悩を焼く火がわたくしを捲る
突かれてしまうとわたくしも尖る
わたくしの余白を多色刷りにする
きのうの水の影棲むわたくしの鎖骨
ながれながら澄む乱世もわたくしも
いまは捜さぬきのうのわたくしの行方
わたくしを抜けゆく鈴の足音か
Loading...















































