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五十鈴川吟行(畏友四十日祭)20句
うつらうつらする宇治橋の葱花形(そうかがた)
(こぼ)れかかるきのうを濯ぐ風のいろ
照り徹るご鎮座かぜの消えた町
くらやみになると神鏡光りだす
遠く近く逝ってしまったひとの声

まっすぐな焔(ほむら)をあげていたきみよ
一本のローソクだった 燃え尽きる
部屋の隅の息はあなたか かぜの音
浄闇(じょうあん)を浄衣(じょうえ)であゆむきみがいる
とめどなく溢れるきみを掬(すく)えない

おはらい町の喧騒にいる影ひとつ
路地裏の角(すみ)きみの影ひるがえる
  いよいよ独り風のこの世に
  座して見あげる松も沈黙
遥拝の意識に触れてくるきのう

御正宮(ごしょうぐう)へ影と連れ立つ砂利の音
神宮の森へ入っていった影
ひとときを影と流れる五十鈴川
ひとときをきのうのきみにつながれる
  せんぐう館にきみの重き日

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