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 日本では、古くから、棺には大きく分けて寝棺(ねかん)と座棺(ざかん)があるのね。寝棺は仰向けに寝かし足を延ばした状態、座棺は手足を折り曲げた状態で遺体が納められる。寝棺と座棺以前には甕棺(かめかん、写真)もあり、縄文~弥生時代には棺として甕形(かめがた)の土器を二つ合わせて使われていた。

 甕棺は、北部九州に特有の棺なのね。今年7月31日、吟行で行った吉野ヶ里歴史公園で初めて実物を見た。吉野ケ里では、弥生時代がついきのうのように感じられる。この吟行で、弥生人をごく身近に感じることができた。

 上の写真のように、大型の素焼きの土器に亡くなった人の手足を折り曲げて入れ、土の中に埋める埋葬方法は弥生時代中頃のおよそ200年の間、盛んに行われていたようなのね。吉野ヶ里では、丘のいろいろな場所にそうした甕棺がまとまって埋葬されている。

 最初は、形状がまるでロケットのようだと奇異に感じていたが、強く印象に残ったので、いろいろと調べてみたのね。甕棺での埋葬方法は、死者も自然の一部として土に還すということ。死後しばらく甕棺の空間のなかでその姿を保つということは、遺族にとってもなぐさめになるのではないか。だれもが死者のことを忘れ、さらに長い年月が経って、甕棺ともども土に還るのだ。

 甕棺は、胎内である。写真(右)のような姿勢で、われわれは胎内にいたのだ。これは悪くない。あきこも、寝棺で閉じ込められたまま起き上がることもできずに火葬されるより、できるならこのように胎児の姿で土に還りたい。

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