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柳人紹介 (34)萩原奈津子さんの20句
春キャベツ春の軽さを連れて来る
間引き菜で足りる女のひとり膳
乳含む児を裏切れぬ裏切らぬ
芹の香よ死のうと契る恋も無し
桜蕊降るあたりから闇になる

品格を残せと鯛の骨が言う
草一本残さぬ父の庭掃除
音程を外した父の正信偈
曝書する父が生きたという証
砂浜に素足の指を掴まれる

Tシャツに埠頭の風を孕ませる
けもの道人の臭いのする処
真夜中のメールそれから共犯者
本気だと言えばあなたも困るはず
石鹸がするりと逃げた分岐点

ケセラセラこれも私のDNA
微温いのは好かん男も湯も酒も
渋柿のような男と半世紀
何もないひと日空っぽの屑籠
パズルでも選択肢でもない平和

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