「銀行窓口に行ってはいけない」…間違えるとすべてが台無しになる《定年後にやってはいけない7つのことと「その理由」》
銀行窓口に行ってはいけない
周囲の客は存在も知らないであろう、銀行の奥の別室。ふかふかのソファに座らされ、美人の担当者に告げられる。
「お客様のように一定以上の資産をお持ちの方には、有利な運用方法がたくさんございますので」
ついに自分も資産家の仲間入りか。舞い上がってしまったあなたは、もはや立派な「鴨」だ。銀行は、その肉付きや、背負っている葱の大きさまで知り尽くしている。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が言う。
「退職金を受け取る60代は、最も貯金額が大きくなる時期です。口座の中身を全て把握している銀行側からすると、窓口まで来させることができればしめたもの。個室に通され、支店長や副支店長に直接挨拶されて、悪い気がする人はいません」
このところ、銀行窓口での振込・両替手数料が大幅に値上げされている。銀行の人件費高騰やネットバンクへの移行などが理由と言われるが、「わざわざ高い手数料を払ってでも、窓口で手続きしたがる客」を選別して、営業のきっかけを作るための施策でもある。おカネのやりとりなのだから、人と顔を合わせないと不安―そんな気持ちにつけ込むのだ。
「今の銀行は、庶民にはできるだけ店舗に来てほしくないが、高い手数料を稼げる保険や投資信託を買ってくれる層とはどんどん接触したいと考えています。急にまとまった資金を手に入れた人ほど、狙い撃ちにされ、手数料の高い『退職金プラン』を売りつけられるのです」(経済ジャーナリストの荻原博子氏)
「見かけ倒し」に騙されてはならない
退職金プランとは、定期預金と投資信託を組み合わせ、7%前後の高い利率で運用できると謳う投資商品のこと。だが、前出の長尾氏は「見かけ倒し」だと指摘する。
「定期預金で金利7%と聞くと、ものすごい高利率だと思うかもしれませんが、その利率が適用されるのは預け入れ当初の3ヵ月だけというものが一般的です。たとえば1000万円を定期預金500万円・手数料3・3%の投資信託500万円で運用した場合、定期預金の利息は8万7500円ですが、投資信託の手数料は16万5000円と、スタート時点から損をする。運用経験のない人は、NISAで分散投資したほうが賢明です」
とはいえ、まったく窓口に行かないのも不安だ。そんな場合には、どうすればいいのだろうか。
「通帳の記帳や現金引き出しでどうしても店舗に行かなければいけない場合は、子供やその配偶者などの若い人が一緒だと強引な営業はしてきませんし、資産について家族で情報共有しているというサインにもなります。
また、鴨にされないためにはある程度の知識を身につける必要もあるのが実情です。スマホでのネットバンキングは、最初の設定は少し難しいですが、家族の助けを借りてそこを乗り越えれば、むしろ便利になります。残高や資金移動をいつでも確認できるし、万が一詐欺や犯罪に巻き込まれても、被害にすぐ気づけるのです」(前出・荻原氏)
顧客の「銀行離れ」が進む中、彼らは手段を選ばなくなっている。簡単に取って食われないように、自衛策を講じなければならない。
Loading...














































