あきこさま
この度、あきこさんの新句集『よけいにさみしくなる』を入手いたしました。
新葉館HPでは一向に発売の気配がありませんでしたので(笑)、
竹田さんに直に連絡し、送っていただきました。
あきこさんにその感想文などとは畏れ多いことですが、
私なりに感じたことを書かせていただきたく、メールいたしました。
本来、このようなものはお手紙で差し上げるべきこととは承知しておりますが、
推敲が容易なメールとさせていただいたことをお許しください。
まずもって、どこを切ってもあきこさんの血が噴き出す作品ばかりだったということ
です。
その『あきこ作品』たらしめているものは何なのか、と自らに問いかけながらの鑑賞
の時間でもありました。
ひとつに、言葉の選び方や措辞に『あきこエッセンス』がちりばめられているのだと
思いました。
こと「きのう」や「訃のあと」は最たる『あきこ節』で、他の柳人などは迂闊に、否
もはや使うことはできません。
そんなエッセンスを私なりに感じた言葉や措辞を書き連ねてみます(カッコ内の数字
はページ)。
わたくしのさくら(6)
それからのひとり(6)
独りの音といる(9)
ふいに噴くもの(13)
わたしを圧してくる(19)
…略…
爆ぜさせる(86)
薄墨のかかるさくら(88)
水音を近くする(89)
流木のかたち(92)
水が来て座る(93)
普通であればこんな言い方はしない、という意外な語句の組み合わせに『あきこ色』
が出ており、
それでいて読み手にイメージを立ち昇らせ、自由な解釈の余地を与えています。
また、それが『あきこエッセンス』へとつながり、他の追随を許さない独自の表現を
形成しています。
このことは私にとっては大いに研究に値するもので、今後自身の色を出していくため
の、二つとない教材です。
そのためには何度も何度も読み込んで、なぜこういう措辞にしたのかなど、読みを深
めていかなければなりません。
本当に勉強になる思いです。
次に、今度は胸に刺さった作品を挙げてみます。
あたらしい現実きみがいなくなる
きみはもう静けさに居る 石の下
あのひとが渡りあの世が活気づく
後悔がきのうの闇を引きよせる
流れ星ひとつあなたがいなくなる
…略…
深く腰掛けて余韻のなかにいる
ペンと紙のまつり火柱たてている
忘却がおぼろな花にするきのう
団欒の影が独りを問うてくる
逝った人のふたりはわたくしの菩薩
なにぶん秀句揃いで、絞り込むのに苦慮しました(笑)。
やはり私は「独り」や「死」をテーマにした作品に共鳴します。
こうして書き写すだけでも、なぜここは平仮名なのか、漢字なのかと考えさせられま
す。
きっとあきこさんの推敲の結果であり、それなりの意味を読み解かなければなりませ
ん。
あることを描写するのに、こうも独特な形となって顕現するのには驚愕するほかあり
ません。
長々と書き連ねてしまいました。
浅薄な解釈やら乏しい感性のこととて、一笑に付されているかもわかりません
(汗)。
でも、拝読したばかりのホヤホヤで率直な思いを書かせていただきました。
実は数ヶ月前、あるところで『たむらあきこ川柳集2010年』、『前田咲二の川柳と独
白』を同時に手に入れました。
『2010年』でもすでに『あきこ色』満載だったのですが、新句集では今も進化し続け
ているあきこさんを感じました。
いまだに『たむらあきこ千句』(紙書籍)が探せど手に入らず、垂涎の的となってい
ます。
もしどこかで入手できるようならば、お教えください。
私の中では『あきこ川柳』が現在の道しるべです。
言葉の選び方や使い方、措辞、描写のしかたなど、学ぶべきものがふんだんに盛り込
まれています。
言葉などをそのまま真似るのではなく、そのエッセンスを考察し、吸収し、自分のも
のとしていきたいと思います。
私なぞあきこさんの作句数やそれに向かわれるお姿の足元にも及びませんが、少しで
も近づきたい所存です。
最後に、私にとっては天位の、最も恐れ入った作品を挙げておしまいにいたします。
一閃のいのちこの世をぬけてゆく あきこ
当白
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