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悲しいことを考えていると窓辺に夕明かりが忍び寄り、わずかに風が頬を撫でた。
宵闇に潜む者は一人ではないと。

初夏の風がかすかに吹いて、蕗(ふき)の葉叢(はむら)がふわりふんわりと揺れる。
やわらかな葉がひそひそとささやき合いながら、夕日は沈む。
この小景にひそむ安らぎを神の恵みと思わないか。

人の性(さが)の低俗なものは、やたらめったら肥大化し、心の底に流れ込んでねっとりと澱む。
だが、孤独という種子はそこで芽を吹き、今雨中で蕺草(どくだみ)が白く咲いているように成長する。

夕陽が稲妻のように消えて、雨雲が一面に夜を占めていった。
鳥が一声、思い出したように鳴いて、天上から梅雨が落ちてきた。

雨が降ってきた、この地上の営みを清めるために。
早苗(さなえ)を育てる雨が降ってきた、手を合わせることを忘れてしまった僕らの上に。
…‥‥‥‥‥‥………‥‥‥‥‥‥………‥‥‥‥‥‥………‥‥‥‥‥‥……

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小堀邦夫(こほり くにお、1950年9月6日 – )は、日本の神職作家詩人。元靖国神社宮司神宮禰宜神社本庁参与。

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