朝8時過ぎ、近くのバス停で、誘ってくださった友だちMさんと待ち合わせ。読売旅行「春の琵琶湖一周お花見名所めぐり」のバスに乗り込む。3900円、手頃な代金でお花見を満喫…、のはずだった。
和歌山市内はもう満開。和歌山市を出たバスは高速道路を北へ、いよいよ琵琶湖の周りを時計回りに走り始める。ところが、である。行けども行けども花が見当たらない。どの木もかたい蕾のまま。窓外の風景には、まだ雪を抱く山もある。はじめての湖北は思いがけず素晴らしい景観が広がっていたが、とうとう桜の木に花がなかった。
長浜城にも、彦根城にも、蕾があるだけだった。花のない「お花見名所めぐり」だったわけである。
しかし湖北の、淡彩をほどこした墨絵のような景観の素晴らしさは、あ然として凹んだ気持ちにも、補って余りあるほど。車内にとくに怒りの声もなく、花のない「お花見名所めぐり」は終わる。
結局、帰路、和歌山市も近くなってから、ときどき闇に浮かぶ、妖気ある桜にちらちらと目をやるだけの一日になった。
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