男の器についてはよく言われるが、もちろん女にも器がある。器が大きい人とは、性別や年齢を問わず支持される魅力的な人。一緒にいるだけで安心、素の自分でいられる人である。しかし、周りを魅了してやまないほど器が大きい人がそんなにいるわけではない。
これを書きながら、あの人この人と思い浮かべている。器の大きな人というのはなかなかいないが、故人をふくめ十人ほどのお顔がでてくる。もちろん完璧な人などはいない。しかし、長い間一目置いておつきあいさせていただいている方は、ある程度の器はあるということだろう。
どんな人が器が大きいとして捉えられるかというと、まず「度量が大きい」「包容力がある」、このような人だろう。たとえば、他人のミスを許容できないような人は器が大きいとは言えない。好き嫌いは誰にでもあるが、あからさまに態度にだす人というのは「子どもだな」と思われるにちがいない。器が大きい人は、多少の好き嫌いはあったとしても、誰にでも平等に接する。好き嫌いはいったん置いて、相手に不快な思いをさせないよう、大人の対応ができる。つまり感情に流されず冷静に対応できる。
ものごとがうまくいかないときなど、感情的になってしまうことは誰にでもある。感情に素直なのは人間らしくてよいことなのだろうけれども。その感情の波に翻弄されると周囲も疲れてしまうだろう。器が大きい人は感情の波があっても、うまくコントロールして冷静に対処しているようにみえる。
仕事でも家庭でも、緊急時など、客観的に状況把握して的確に対応できるのが器の大きな人だろう。周囲の誰かにあたることなどなく、問題の解決に挑む。また、対応の間違いを間違いとしてしっかり受けとめる。どれだけ完璧にみえるひとでも間違いはあるだろう。器が大きい人は、他人に責任を押し付けるようなことはけっしてしない。
人望が高い人は、いつも笑顔でポジティブな気がする。器が大きい人でネガティブな人はあまりいない。いかなる状況でも笑顔を絶やさず、ステップアップしていく。自分にやさしい人はいくらでもいるが、周囲にもやさしくできる人が器の大きな人なのだろう。余裕のない人はまず他人にやさしくできない。
また、細かいことに神経質にこだわらないのが器が大きい人だろう。こころがつねに平穏でゆったりと構えているから、細かいことが気にならない。しかし、やさしい、気にしない、冷静な人でもストレスが溜まらないことはない。他人と触れ合えば触れ合うほど、ストレスは溜まるのである。器の大きな人は、溜まったストレスを誰かにあたるなどということなくしずかに発散する。
また、器の大きな人はお世辞は言わない。相手を受け入れる度量があるから自然と相手の長所に目がいく。他の人がなかなか気づけないその人の長所をみつけて褒めることができるのだ。
ここまで書いてきて、数人の川柳人の顔が浮かんだ。器の大きな人はもてるから、同性から反感や嫉妬を買うこともあるかもしれないが、本当に器の大きな人はそんなことも受け入れている。器の大きな人は視野が広く柔軟な考え方ができるので、異なった意見もよいと判断すれば受け入れられるのである。
人の気持ちを汲むこと。どんな意見を言われても、いちどはその人の気持ちをしっかりと受け止める。すぐに言い返したり、否定はしない。相手のことばを受け止められるだけでも、器が大きい人と言える。結局、器とは男女を問わず実行力をともなう寛容さのことなのだろう。
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