5月25日、安倍総理による緊急事態宣言解除。世界では、いまなお、日々10万人を超える新規の感染者が確認されている。日本は、罰則を伴う強制的な外出規制などを実施することもなく、世界からは独特とも見えるやり方でわずか1か月半ほどで流行をほぼ収束させることができたと言える。
新型コロナウイルスの感染拡大を、我われは“自粛”の室内で息をひそめるようにして見守ってきた。感染拡大を止めるためには、ふだんのすべての行動様式を変える必要があった。誰もが早く日常に戻りたいと思いながら“自粛”の生活に耐えた。
社会的距離戦略(ソーシャル・ディスタンシング)でウイルスの拡散を遅らせ、感染者の爆発的な発生による医療システムの崩壊を防ぐ。つまり、感染して免疫を獲得する人が十分に増えるか、ワクチンなど特効薬が利用できるようになるまで、パンデミック(世界的な流行)状態を低水準の感染者数で維持する必要があったからである。
しかし、もちろんこれで完全に収束したとはまだ言えない。どこかに新型コロナウイルス保有者が存在したら、アウトブレイクは繰り返し発生する可能性がある。したがって、これは一時的な混乱ではない。第2波、第3波にそなえて、新たな生活様式をこれから模索する必要がある。
「シャットイン・エコノミー(家に閉じこもる経済)」と名付けられている経済学分野が存在するらしいが、これからそれに基づいた新しいサービスも増えてくるだろう。また、二酸化炭素排出量の少ない移動、地産地消型サプライチェーン、徒歩と自転車での移動の増加など、いくつかの習慣が変わるかもしれない。(あれ? これはあきこのふだんの生活よね~、笑)
下記、これまで しんぶん赤旗「読者の文芸」で2月頃から採らせていただいた新型コロナウイルス感染症関係の川柳62句。あちこちでたくさん詠まれているだろうが、この災厄の証言として川柳が遺され、後世資料として活用される日も来ると思われる。
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五月二十日掲載分
ウイルスの方も自粛をしてほしい 神奈川県 桑山 俊昭
啓蟄の虫の気持ちがいま分かる 横浜市 小川仙太郎
出られないときはガソリン安くなる 岐阜県 金子 鋭一
オンライン授業に飽きた子どもたち 川崎市 松江 宍道
飛行機も退屈そうな飛行場 神奈川県 本間 勝
二メートル離れてマスク長話 高知県 松本けん三
コロナ禍が国の形を変えてゆく 広島県 北村 善昭
コロナ禍へ医療従事者いのちがけ 佐賀県 山田 吾一
検温を日課に加え生きている 堺市 大和 峯二
世界中自粛CO2が減る 京都市 森光カナエ
五月六日掲載分
3密にどうしてもなるウサギ小屋 神奈川県 桑山 俊昭
コロナ禍へ生きてますかと電話増え 京都市 森光カナエ
ウイルスへマスクが欲しい鯉のぼり 高知県 松本けん三
コロナ禍へ飛び込むように通勤日 千葉県 加賀 昭人
窮状が目にも耳にも届かない 鹿児島県 清永 進子
コロナ禍のいつまで続く春嵐 香川県 田村 節子
いっぷくも離れて座る農作業 愛知県 澤 美穂
桜よりマスクの白が目にしみる 岩手県 佐々木清志
恋人と会えぬ自粛の長電話 東京都 臼倉 三平
家の中妻との距離も二メートル 堺市 大田 孝夫
ありがとう医療スタッフ最前線 堺市 堀西 和子
子らいない校庭低く燕飛ぶ 千葉県 田尾 八女
歓楽街自粛で鳴かす閑古鳥 東京都 長谷川 節
四月二十二日掲載分
ニューファッション色柄あまた布マスク 長野県 翠 みち子
距離をとる会話へ恋が進まない 広島県 北村 善昭
ウイルスが格差社会を炙り出す 埼玉県 福家 駿吉
国境も人種の壁もないコロナ 東京都 長谷川 節
奔放に生きる私人の昭恵さん 神奈川県 桑山 俊昭
コロナでも自粛の効かぬ昭恵さん 新潟県 小川 マキ
買いだめで物置になる四畳半 神奈川県 都留あき子
若者の油断コロナが足掬う 千葉県 田尾 八女
ウイルスに打ち勝つための酒を呑む 京都府 矢野 紫月
コロナ禍に負けてはならぬスクワット 神戸市 西上 文世
沈没を助けてほしい給付金 東京都 臼倉 三平
四月八日掲載分
なんとなくしょぼんとしてる豪華船 千葉県 田尾 八女
うっかりとくしゃみも出来ぬ花粉症 神奈川県 都留あき子
握手せず肘でタッチのご挨拶 広島市 山根 智
ウイルスのように倒産感染し 福島県 佐藤 隆貴
春うらら妻との会話だけで過ぎ 神奈川県 小室ひろし
ウイルスがオリンピックのカギ握る 広島県 岡本 信也
何事か問えばマスクへ長い列 広島県 北村 善昭
ホワイトデーチョコに手作りマスク添え 堺市 大田 孝夫
コロナまで老人弱者狙い撃ち 堺市 大和 峯二
三月二十四日掲載分
ささやかな兵糧背負い妻帰宅 さいたま市 出町 正俊
ウグイスの初鳴きに耳ほっとする 京都府 藤田 昌子
無観客野球サッカー大相撲 和歌山県 坂口 隆
淋しいよ浪速の街のふれ太鼓 埼玉県 森井 征之
濃厚接触ありそうな大相撲 神奈川県 都留あき子
感染で世界はひとつよくわかり 東京都 長谷川 節
コロナ禍にまぎれミサイル日本海 香川県 田村 節子
坪庭の春が表へ出ろと言う 神奈川県 小室ひろし
遺影だけマスクしてないお葬式 千葉県 田尾 八女
湯めぐりのパンフたたんで銭湯へ 北海道 宮本 勝
三月十日掲載分
青空のバリアフリーへ伸びをする 秋田県 柴山 芳隆
ウイルスに挑む背水医療陣 広島県 北村 善昭
ウイルスより早く不安が感染し 横浜市 小川仙太郎
感染へ打つ手笊から漏れてゆき 北海道 山本 光昭
病院の待合室は閑古鳥 香川県 田村 節子
ウイルスに効き目はゼロの防衛費 神奈川県 桑山 俊昭
二月二十五日掲載分
ウイルスが日本列島旅行中 広島県 岡本 信也
ウイルスが文明国を嘲笑う 兵庫県 寺嶋恵美子
コウモリのゲノムが世界脅かす 岡山県 目賀 和子
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たむらあきこさま
初めて訪問いたします。
赤旗の川柳欄の選者になられてからずっと投稿入選句を
拝見させて頂いております。
このコロナ関連の句もそうですがみなさんの素朴で朴訥として
けれんみのない句にはたいへん感銘を受けております。
長さだけが取り柄の川柳をやっているといい句を作ってやろうとか
ビックリさせる句を作ってやろうとかばかりが先行して川柳の
本質を見失いがちです。
またいい句も選者とのワンセットでないと生まれないと思ってますので
赤旗の川柳欄もいいマッチングになっていると思います。
普段からたむらあきこさんの短歌、川柳、選者に向き合っている
真摯な姿にはいつも感銘を受けております。
ますます少しづつ頑張って下さい。
佐藤彰宏さま
赤旗からは、丁寧かつ心のこもったご依頼を受けて引き受けさせていただきました。
私の選で何がどう違っているか、ということは分からないのですが。(ちなみに新家完司先生との隔週選ですが)
文芸としてどうか(いろいろな考え方がありますが)、心にどれだけ届くかということで選ばせていただいております。
さいわい、投句数がかなり増えてきておりますので。
まずはこれでよい、ということかも知れません。
みなさまの厳しいご意見をいただきながら進めてまいりたいとおもいます。
もし気になるようなことがございましたら、ご教示くださればありがたく存じます。
本日のコメント、本当にありがとうございました。