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定型は五・七・五(十七音)だが、この一部(たとえば上五)に音数の変化(字余り・字足らず)があっても、全体のバランスが極端に崩れないかぎりは定型感がある。上五の音数が増えた場合も、中七・下五が整っているときには定型句としての格調は失われないように思える。
禅問答つづいて鬼灯(ほおずき)になった
他人の貌(かお)のように波にものぞかれる
上二句は、それぞれ六・七・五の十八音、七・七・五の十九音という構成だが、定型感はあり、ふつうに違和感なく読み下していただけるだろう。
八咫烏(やたがらす)やがてわたしに足三本
上の句、上五・中七がそのままで、下五が六音。ほか下五が七音に、また上五・下五がそのままで、中七が八音になるものなど、いろいろある。中七の八音は、とくに〈中八〉と呼ばれ、忌避されている。ところが最近は〈中八〉の句も増えているようで、否定しない論もある。
たゝかひに最もくるしみ死にたる の谺(こだま)
上の句は二十一音。「たゝかひに最もくるしみ死にたる」が折口信夫の撰した墓碑銘の一部をそのまま引いているので、省略できなかった。全体のバランスがよく、定型に準じる安定感を感じさせる句は、破調だとしても受け入れられやすいのではないか。(※墓碑銘:「もつとも苦しき / たゝかひに / 最もくるしみ / 死にたる / むかしの陸軍中尉 / 折口 春洋 / ならびにその / 父 信夫の墓」)
御船形石をくすぐる水音
上の句は字足らず五・七・四の十六音。音数不足は、はなはだしいと定型感を失いやすい。ほか中七が六音になった句はいちじるしく句調を損ねる。上の句は中七の音数は減らせないとして下五で調整、下四でとめた句。
川柳の訴求力は、定型であってこそと言われる方もまだかなりいる。とくに時事川柳は個人の文芸というより社会に向けての発信であることからすれば、定型を重視することはたいせつかもしれない。いま担当させていただいている しんぶん赤旗「読者の文芸」の入選句は、投稿句ほとんどが時事川柳であることもあり、結果として定型を守った句を採らせていただいている。
初心者が、初めから破調で句を詠むというのはおすすめできない。何ごとも基本をマスターしてからの変化球であるべきかと。まずは定型でしっかり句を研く推敲を覚えてからのことになる。ぎりぎりのところでの破調、うごかない破調ということである。(例にあげた句の作者は、あきこ)

興味あるテーマです(^^)/
首を長くして記載待っています
ぎんちゃさま
待っていただいているようなので。
もう少し書き込みたいのですが、これから夕方の買い物に行くのね。(笑)
ということで、先にアップして、でかけることに。
あとで書きますので、ご再訪よろしく~。(*^^*)
① 愚痴を言うたび若さ去ってゆく
② 愚痴を言うたびに若さが去ってゆく
ご覧の通り、①は七・八の句。②は、①を定型に直した句。
披講した場合、①はリズム感も失われておらず②より少し力強い句のように思われます。②は確かに定型ですが、少し間延びした感じになるような気がします。
①か②か、目下の悩みです。
昌紀さま
愚痴を言うたび若さ去りゆく
愚痴こぼすたび若さ去りゆく
と、短句(十四字詩)にするのも一つの手よね。
短句のキレのよさ、これを使わないとモッタイナイ。
ところで。
お元気そうでなにより。
自粛ごもりの春、あきこもいま目が覚めたところ。
ワインを飲んでいたら眠くなったのね~。((*^^*))
あきこさま
今日は、久々にお声を聞けて、ありがとうございました。
①か②かは、実は過去の問題でした。十四字詩には到底及びませんが、①か②かあえて選ぶとしたらどうなるでしょうか。
昌紀さま
破調は、ぎりぎりのところで…、というのが、答え。
①の破調は、その「ぎりぎり」かどうか、内容的にも、ということよね。
ここは、安定した②のほうをいただきます。
ただ、連作のなかで見ると、この破調もいいかもしれない。
要は、どれだけ相手のこころに届くかということでしょうね。
句意は、よく分かります。