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柳人紹介➍ 石部 明さんの20句
丹念に指がなくなるまで洗う
消えてゆくものの微かな摩擦音
にくしみもふたつ枕も二つある
バスが来るまでのぼんやりした殺意
せっくすのあとさき通過する電車

見比べて等身大の箱を買う
戸棚からごとりと父が降りてくる
梯子にも轢死体にもなれる春
いもうとは水になるため化粧する
鍵穴をどこへともなく鳥通う

オルガンとすすきになって殴りあう
死ぬということうつくしい連結器
戸板にて運ばれてゆく月見草
あかんべいしてするすると脱ぐ国家
縊死の木か猫かしばらくわからない

手を入れて水の形を整える
死顔の布をめくればまた吹雪
壜を傾けてこの世を滴らす
神さまといういやらしいそり具合
パラソルをさして死者ゆく日本海

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