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2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。

前田咲二遺句集 平成8年』【23】
ふるさとの痩せ田を守るあばら骨
相談は体裁だけと知っている
職安で期待が一つずつ消える
夢夢夢 光陰の矢が速すぎる
価格破壊のパンツを一つ買うてくる
国会へ記憶の悪い人を呼ぶ
ぼくの地図から妻がときどきいなくなる
男運のいい耳をもつ妻である
亡き戦友が呼ぶ南海の島めぐり
人生曼陀羅 鬼と呼ばれたころもある

従うもよし逆らうもよしぼくの風
じわじわと首に食いこむ消費税
タンポポの絮 錯覚のかぜに乗り
わたくしを抱いているのは神だろう
実をつけぬ花が咲いてる都市砂漠
雨読ひとり電子レンジがチンと鳴る
枕の下に般若心経敷いて寝る
亡母とふたり二膳の箸を洗う日日
妻との間にキリトリ線が透けてくる
平山郁夫の水が涼しい扇子の絵

点字追い光を追うている指だ
くず箱から雑誌拾っている紳士
本を折るな汚すな亡父の声がする
妻が子が背中を押しているラッシュ
酒ちびりちびり心の傷を縫う
網外すとき泣くという子持ち蟹
ヒロシマの川のその後をまだ識らず
先生にも親にも見えぬ子の狼煙
輝いていたころの檸檬のような亡母
七顚八起 壁はわたしのために在る

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