※時間がないので、少々急いでまいります。
『前田咲二遺句集 平成15年』【39】
肝臓は強いが心臓は弱い
明日のことは何にも考えていない
家族団欒 描く絵の具が足りません
パズルのように原風景を組み立てる
七畳半というけったいなぼくの部屋
コンテナに一国主義が詰めてある
恋すすむ畳で死ねぬかもしれぬ
愛憎へ月は素知らぬ顔で出る
休み疲れました右脳のひとりごと
部屋の壁 叩いて母は惚けている
夢を見ているのか家に帰らない
徘徊の母へみんなが起きている
風景を溶かすとちちははの葛藤
枕裏返して夢を裏返す
働いた手と手のここちよい握手
職安の鳩に慰められている
鰹節削る昭和の音がする
仲人として腹の子に気を遣い
割り勘の追加 今ごろ言われても
愛してるよと毎朝言わされています
雨の降り具合で痛む母を看る
あなたのそのすこうしずれたとこが好き
この年になっても酒に諭される
海のない国が捕鯨をあげつらう
いまごろに有事を悟る有事法
兄ちゃんと同じ皿取る回りずし
祭りのあとで行きます少し遅れます
醜男もカバも悪びれたりしない
完熟トマトに完熟を嗤われる
ピラミッド社会を入れた箱である
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