※時間がないので、少々急いでまいります。
『前田咲二遺句集 平成14年』【30】
すぐ靡く部下には旗を持たせない
クレオパトラと別れて楊貴妃と遊ぶ
何人の女と握り交わした 手
胴上げをされる両手は天に向け
ぼくは治りただいまポチが花粉症
雑草の花をよろこぶ 仏さま
じゃあまたの握手の中にある内緒
いい人生でしたと亡母さんに言おう
六法全書ひもとく愛のなれの果て
再会を約す握手に嘘がある
先斗町あたりでいつもいなくなる
終電でトラの法被と乗り合わす
ナイターの明りがとどく小商い
自爆テロ 報復 自爆テロ そして
遺言に知らぬ名前が書いてある
泣き上戸と知らずに酒をついでいる
突然にしては役者が揃いすぎ
本流に乗ると闘志が痩せてくる
覚悟が試されている噴水のてっぺん
鼻うたで一つの愛を葬りぬ
わたしの枠の中で泳いでいるわたし
誘うように誘っていないように言う
ほんとうの仲間が残る三次会
嘘一つ囲んで嘘が騒いでいる
口説き上手で人の話は聞いてない
みんな優しくてこんなに物忘れ
誰と飲んでいたかと妻が寝かさない
辞職辞任離党どなたがどちらやら
マスゲームおなか空かせているだろう
言いたいだけ言わせて一喝をかます
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