『前田咲二遺句集 平成13年』【25】
思い出を冷凍保存しています
てっぺんに立った時から狙われる
天上天下わたしを晒す場所がない
朝の靴 足になじまぬときがある
ゴッホの樹が青い焔を上げている
マンネリの顔が集まる月例日
女の浅瀬に 躓いてばかりいる
まだ妻を連れて歩いたことがない
傷口を素手でさわってゆく他人
ひげの下にとても優しい顔がある
口喧嘩 大きい声が負けている
激流のおとを宿している 雫
落ちるだけ落ちると風が吹いている
三人が同じ女に惚れている
松茸にも蟹にもお目にかからぬ胃
まえがきを書く約束のゲラを読む
てのひらで小さい秋を計っている
ロボットの祈りを聞いたことがある
他人のめし食った二年が生きている
わたしを運ぶ 原風景の真ん中に
老母さんの目は天国を見ている目
生きていることがときどき重くなる
苦しかったら切ってあげると医者が言う
接点を満たす言葉がみつからぬ
何を待つわけでもないが生きている
テロリストとの接点のない 戦
焼酎お湯割り肩の力が抜けてくる
渦の目の一つ一つにある主張
秋の返事を一輪挿しに差してある
噴水のてっぺん秋に触れている
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たむらあきこ様
『前田咲二遺句集 平成13年【23】【24】【25】
ご抄出の句拝読。
下記の句がわたしの興味を引きました。
昭和史に我慢の切れた跡がある
引き潮の渚に落ちていた 別れ
ぼくの先送り 政府を嗤えない
前頭葉ばかりふくれる意気地なし
けんか上手で決着を急がない
両の手を両手で包む仲直り
物好きな蚊だ薄い血を吸いにくる
えりあしのほくろ浴衣によく似合う
盃の菊の御紋に浮く昭和
子に残す僅かな財と軽い骨
楽々と夕陽の泥にもぐり込む
妻という杖が身近にいてくれる
寂聴法話ふわり男のことに触れ
トラ異変 水銀柱を押し上げる
美しい思案を月としています
別れなはれが口癖の占い師
おじさまを手玉にとっているゲーム
手裏剣が赤絨毯に落ちている
親米も反米もいる基地の町
四島のあたりにもやもやが溜まる
思い出を冷蔵庫に保存しています
てっぺんに立ったときから狙われる
朝の靴足になじまぬときがある
マンネリの顔が集まる月例日
傷口を素手でさわってゆく他人
ロボットの祈りを聞いたことがある
接点を満たす言葉がみつからぬ
テロリストとの接点のない 戦
渦の目の一つ一つにある主張
噴水のてっぺん秋に触れている
有難うございます。
前川奬
前川奬さま
>思い出を冷蔵庫に保存しています
これね、《思い出を冷凍保存しています》。
だんだん寒くなってきました。
昨日は柳友のご葬儀に行ってまいりましたので。
よけい寒くて、今日はドトールに行くのもやめました。(ほとんど毎日行っているのね)
生きている者は、たんたんと日々すべきことをしてゆくほかありません。
どうか、お身体にお気をつけて。
たむらあきこ様
>これね、《思い出を冷凍保存しています》。
すみません。間違って書き写していました。
失礼しました。
前川奬
前川奬さま
ご丁寧に、ありがとうございます。
いつも正確に写しておられるので。
失礼いたしました、こちらこそ。 (*^^*)