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羽咋・折口信夫父子の墓吟行30句(2018/11/6)
入らずの森に答 わたしはここにいる
家持信夫の影をかさねて寂しくなる
神域のしじまへ秋を踏んでいる
踏みしめる朽ち葉の先の信夫歌碑
信夫歌碑あたりきのうの声幽(かす)
わたくしの歩を晩秋が包みこむ
気多大社への径で笑っていたマユミ
  マユミが灯す能登の曇天
父子の墓ぼんやり父子の影をひく
父子の墓なでてきのうを巻き戻す

きのうがねむる直方体の石あたり
玉砕のしらせへふり切れた あの日
能登國一宮(のとのくにいちのみや)へと蹄(ひづめ)の音
海岸線はるかに過去がうちよせる
巻き戻すきのう千里浜(ちりはま)波しずか
なでさする石になで返されている
他界観念 あの世に続いているわたし
(つい)えかかるきのうかげろうよびよせる
投影の昭和をくりかえし通る
家持のきのうを千里浜にひろう

ふり向けば曇天 沈黙の重さ
たヽかひに最もくるしみ死にたる のコダマ
むかしの陸軍中尉 とつづくコダマ
曇天がおおう戦死というコトバ
硫黄島玉砕『鵠が音(たずがね)』にのこる
遺歌集を編みゆく雨をつのらせて
在りし日を刻む『鵠が音』千八百首
羽咋の海 沈黙へうちかえす
父子の墓から影が湿ってきたような
うつむいた天 追悼七十年

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