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 先月28日、久しぶりに気がかりだった実家の掃除に姉と一緒にでかけた。ふた月ほど空いたので、郵便物(姉が郵便受けから出してくれていたのね)をチェック。その中に、先日電話をいただいた畏友からの手紙と別便での詩集があった。さっそく開けると、詩集に挟まれていた挨拶文の日付はなんと4月(;)。つぎはその一文から。
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拝呈 いつしか春もたけゆき、芽ぶき明るい季節となりました。いかがお過ごしでございますか。
 三月一日に第十二代の靖國神社宮司を拝命し、毎日おろおろとお仕え申し上げています。…
 …二月に、来年の御代替りを前にして、私なりに心の整理をつけたいと考え、毎日詩を一篇作り、ささやかながら上梓するつもりでおりました。…
 …桜咲くころとは行きませんでしたが、晩春のみどりあざやかな日々に、ご笑覧たまわりたく、…
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 内容が深く、なんども読まないと分かりづらい散文詩なのだが、下記はこころに届いた中から十数篇を抄出。
手を合わせば、祈りのあたたかさ。/手を差し出せば、神々のあたたかさ。/手を打てば、天地(あめつち)のあたたかさ。
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五十鈴川の水が手にあたり、指を通りすぎる。/時の流れが私たちの体を通りすぎるように、流れて止まないものが私の今を清めてゆく。
…………………
私を衝き動かすものが壊れ、歩きづらい。/路傍の日溜りで草の芽が揺れている。/そのかすかな風が私を押してくれる、前へ。
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灰色の空から小雪が降ってくる。/わずかな日射が風に届けられ、まだ折れずに歩いていると風に笑う。
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夜明けの駅に人々は急ぎ足で入ってゆく。/今日も生きるために冷たい空気を裂いて、人々は陸橋を足早に降りてくる。/桜の小枝が揺れている、いずれ咲くと。
…………………
ぺしゃんこになった昔の夢は縮こまって、かすかな光を放っている。/夢はいくつも、いくつも、ずうっと堆積しつづける。/前のめりに歩くようになっても、よれよれの夢はきっと光を失ってはいない。
…………………
異常気象が常態となり、東京は春の陽気らしいが、伊勢は冷たくしとど雨降る。/子孫の未来のために伝えたいことはただ一つ。/石油文明が生み出す豊かさへの断念から、新たな文明へ向かうこと。
続く。

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