点鐘じゃあなる 2016年10月号
若冲展に寄せて 墨作二郎
ありふれて水に泳がす茄子胡瓜
卵焼の匂い 若冲鶏百羽
タイル画線描鼻と耳しかない南国
考えあぐねて竹の穂先が並んでいる
歩き疲れて一面に世界観がある
ただ並ぶだけの石灯籠ではないか
蝶飛んでいる逃げられないでいる
するすると雨の白さを消している
湿りどうしをざわざわとついてくる
犬百匹どれも孤独をかぶっている
水車小屋廻って蛍飛び合って
余生考えている竹の穂先が並んでいる
水音がする錦市場のペンキ塗り替える
『德永政二フォト句集 4 家族の名前』より
手を振っているからきっと駅だろう
犬小屋の中に入ってゆく鎖
人の名が光るその日のその雨に
まだ少し君が残っているチューブ
父もひとり母もひとりであった露
秋の風家族の名前書いている
山に雪 私に何があるだろう
『岩田多佳子句集 ステンレスの木』より
月曜日の扉が無造作にひらく
ファイティングポーズ豆腐が立っている
にんげんで居る力加減がわからない
そらあかんあかんあかんと騒ぐ水
巻貝のふところ深く居る娘
まっすぐをどこで落として来たんだろ
寝ている水に声を掛けてはいけません
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