課題「主力」
特選
一億のマリオネットを踊らせる 森吉留里惠
秀作
ほんとうのボスは茶室の中に居る 句 ノ 一
キーマンが抜けて積み木が崩れ出す 加藤 鰹
私をシャンと立たせている怒り 居谷真理子
雑詠
特選
滝壺に真っ直ぐ落ちてゆく月日 板垣 孝志
秀作
あきらめていない私の中の青 勝又 恭子
ライバルと老残の話はしない 平井 義雄
あの頃の未来を生きている私 岡本 恵
‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
選後感想 たむらあきこ
課題特選、「一億総活躍社会」は昨年10月に発足した第3次安倍内閣の目玉プラン。川柳で穿って詠むとこの句のようになる。すでに始まっている「マイナンバー制度」もまずこれに組み込まれてくる。秀一、巧いが発想に些かの既視感、特選の一つ下になった。秀二、「キーマン」にそうそう代わりはいない。企業など組織も大物がいなくなると崩壊。秀三、発想の独自性。下五が驚かせる。雑詠特選、「月日」の経つ速さはまるで「滝壺」に「真っ直ぐ落ちてゆく」水のようであると。この比喩は深い実感を伴っている。秀一、「青」は哀しみなど負の感情。秀二、「老残」が効いている。ライバル関係にあったのはお互いのいのちが激しく燃焼していたとき。そんな相手に「老残」の苦しさを語ることはしない。秀三、追憶は「あの頃」へ。少女の夢は温かい家庭の幸福な妻や母になることだったのだろう。
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