誌上競詠「咲くやこの花賞」26年度 第4回「ノート」嶋澤喜八郎 選
軸
流水に空が一枚浮いている嶋澤喜八郎
天
鳥は自由に罫線のないノート竹内ゆみこ
地
ノートから取っ組み合いを挑まれる中前棋人
人
背開きにされた私が載るノート米山明日歌
風の音無地のノートの一枚目新川弘子
命ある限りと書いた一ページ岩佐ダン吉
タテ罫のノートは体臭がきつい居谷真理子
二、三ページ戻る帽子とばされて酒井かがり
備忘録の中にきのうが立ちあがるたむらあきこ
げんじつは交換ノートから外すひとり静
目を留めて欲しい半開きのノート平尾正人
六月のノートに紫蘇の色がある吉道あかね
数式も恋も綴った雑記帳北原おさ虫
ノートにはひらがなだけのラブソング日野愿
まっ黒なページノートは袋綴じ石橋芳山
真実は書いてはならぬこのノート上田ひとみ
想い出がひとつ歩いてくるノート岩根彰子
激情は青いノートに干乾びる美馬りゅうこ
超訳がすきなノートに羽がある田口和代
曖昧な舌をノートにしのばせて安藤なみ
月が見ている考えすぎたノート福尾圭司
日付だけ書く辛かった日の日記山下和一
隠し子みたいに出てきた文豪のノート北田のりこ
私のノートだどうだ重いだろ居谷真理子
二冊目のノートは鍵をかけておく古久保和子
積み上げたノートがわたくしの地層勝又恭子
思ってることは書かない日記帳岡本なぎさ
擦り切れたノートにあった道標佐波正春
母性で埋まる育児ノートに感嘆符オカダキキ
過ぎ去ってみれば他愛のない日記竹村紀の治
遺品から出てきた国富論ノート池田吉久
狼の血で書きかけてあるノート井上一筒
スケッチブック食み出すなんじゃもんじゃの木オカダキキ
鉛筆削る白いノートがある限り寺川弘一
和とじのノートから京ことばがこぼれる竹内ゆみこ
日記の字まだそれほどに老いてない太田扶美代
独りじゃない側にノートと鉛筆と太田としお
銀河まで跳ぶ罫線のないノートくんじろう
戒名など要らぬと迷いなく書く美馬りゅうこ
幾たびも読む失敗の日のノート杉山太郎
眠れない夜にノートは開かれる青砥和子
繕った私が立っているページ星出冬馬
警察手帳見せたら印籠出してきた吉岡修
その場凌ぎの芝居がうまいルーズリーフ上嶋幸雀
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