恐山うしょろ
大祭はいま 炎天を抗(あらが)わず
無間地獄(むげんじごく)を石が仕立てる恐山
岩に縁(よ)り露出する鬼 鬼鬼鬼
火葬のあとの骨か石かと恐山
ややななめうしろに鬼の息がある
荒涼の絵になってゆく恐山
けふはけふの赤鬼青鬼きて嗤(わら)う
どの焦げ目からも地獄が口あける
千二百年のきのうに石を積む
積む石がやがて因果を喚(わめ)きだす
露岩一つ一つの裏にある地獄
苦しみのかたちを石が投げ返す
掴みきれぬものへ居る また睨(にら)む鬼
欠け地蔵 無常へ辻褄をあわす
炎天のうしょろが青を集めている
宇曾利湖(うそりこ)の青はあの世の青だろう
寂寥(せきりょう)の裾をひろげる大尽山(おおつくしやま)
とんぼ一匹賽の河原にすべりでる
けふを回りきのふを回るカザグルマ
此岸(しがん)彼岸のはなしを灼(や)けた砂とする
湯治場の部分はきっとやわらかい
古滝(こたき)の湯 がらりと入口が二つ
ひたひたと湯槽(ゆぶね)をあふれでるきのう
瞬間が煮える きのうの独歩行
呼ぶ霊がイタコの低い声になる
(註:〈うしょろ〉はアイヌ語で窪みのこと)
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