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 「自分はひとりである」と感じる心理状態が孤独感よね。孤独とそれにともなう孤独感には、自分と他者(社会など)との関係で捉えたものと、人間の存在そのものから来るものがあるというのね。

 たとえば、部屋にポツンとひとりでいる場合だけでなく、大勢の中にいてなお自分がひとりであると感じるならば、それは孤独よね。孤独とは、あるいは主観的なものかも知れない。哲学者・三木清が、『哲学ノート』の中で「孤独は山にはなく、むしろ町にある」という趣旨のことを言っているのね。

 子どもの頃の孤独感は物理的にひとりになったときに体験するものよね。それが思春期になると、周りに人がいても疎外感などから孤独を感じるようになる。われわれの年代になると人や社会とのつながりが減少しがちであり、孤独感は多くの人々にあるだろう。さらに近づく死を意識するようになると、別次元の孤独を感じるようにもなるというのね。また、人それぞれに異なる孤独感の感受性というものがあるとも思うのね。

 古今東西の宗教では、修行として孤独に籠もることがある。釈迦も孤独な苦行を体験したのね。最終的に釈迦がひらいた“涅槃の境地”も、菩提樹の下に一人でいたときに得たとされている。日本では、中世に吉田兼好の『徒然草』のような文学作品が生まれたが、これも隠者文学と呼ばれているものよね。

 人間の精神性において、孤独はかならずしもネガティブなものという訳ではない。孤独状態にいると、人間は自分の存在ひいては宇宙の存在などについて考え、そのことが創造にもつながるのではないか。心理学で“昇華”といわれるものよね。川柳など短詩型文芸にもそこから生み出された作品が多く存在する。寂寞とした心理を表したもの、より高次の(深層)心理を表したものがあり、それはあきこの表現における今後の目標となるものでもあるのね。

 社会や文化によっては孤独はよくない状態として見られることがあるが、上記の吉田兼好のように、望んで孤独を楽しむという文化性を発揮する人がいるのね。孤独とはいっても、そこに多くの状態や種類があることを考慮すべきなのね。暗く沈んだ気分にある人に励ましを入れたがる人もいるが、こういった精神状態にある人にはそのことがむしろストレスとなるおそれがあるのね。ほか、とくに医学的に治療を要する精神疾患としてのうつ病では、激励してしまうことはむしろ禁忌であるというのね。

続きは次々回

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