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 発表誌を丁寧に読ませていただいた。入選は各題540句中の50句とか。事前投句1、印象吟1を入れて計5句入選。こころに届いた句を書き出させていただく。入選句の中から絞って、30句。「いまを詠む」川柳、現代川柳の第一線。
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 一本の棒かもしれぬ私のけれど            徳永 政二

  目薬を差しても差しても 暗闇              高瀬 霜石 
  抱きしめてやればよかった 平手打ち          宮前 秀子
  あの父のこんな小さな喉仏                河村 啓子
  じんべい鮫やけどお父さんかも知れず         谷口  義

  ウスバカゲロウの羽だった崖だった           森田 律子
  くちびるの棚を溢れてゆくきのう             たむらあきこ
  ひとしきりはしゃいだあとの違い棚            ひとり 静
  おにぎりの角に詰まっている情け            赤松ますみ
  情というおぼろな集合体がある              たむらあきこ

  情の反転 鬼をそそのかしたらしい           たむらあきこ
  許したのは私の中の水の部分              小島 蘭幸
  残り時間に少しくいこむ膝がしら             前田芙巳代
  みひらきの左でお待ちしています            山本 早苗
  迷惑も省みないで咲いている              平井美智子

  うまくできますほんとはしたくないことも         久保田 紺
  夕暮れの窓に裏声だしてみる              米山明日歌
  ひとりにはひとりになった音がする           米山明日歌
  短針が逆回りして風が止む               オカダキキ  
  発火してしまう私の触れた場所             平尾 正人

  パッチワークで夜明けの街ができあがる       赤松ますみ
  愛されすぎて森から出してもらえない         倉  周三
  人間をずっと見てきた尾骶骨              栃尾 奏子 
  眠りつづけてよもつひらさか雨模様           墨 作二郎
  魔法使いになるまではひまわりだった         谷口  義

  魔法らしく少し光ってから消える            久保田 紺

  父のいるとなりに母がいる魔法             徳永 政二  
  夕方が角を曲がると立っていた             河内谷 恵
  夕方の顔だね僕も君たちも               新家 完司
  喚びよせるものの遠さよひとこぶ駱駝        たむらあきこ



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