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ピースボート吟行245句(推敲中)
4月24日
水音がいつかわたしの中にある
きのうの短篇ひらく花吹雪のように
光と影群れる海にもわたしにも
どの海も浮かべる逝ったひとの影
おんがくもひとも過ぎゆく華なのか
  青いおんがく 蒼海をゆく
わたくしのひとり 山頭火のひとり
風音(かざおと)かもしれない コトバかも知れぬ
  水の上ゆく影はわたくし
出航へうしろすがたになるきのう
肯定のかたちに道をふりかえる
うなばらのひかりをわけゆく 航跡
夕陽かもしれぬきみかもしれぬ 耀(かがやき)
死のまえのわたし キャビンのなかの息
  渇きゆくときさがす血族
この世の雨がわたしのなかに降っている
メタファーのようにこの世に旅がある
ひるがえりながら 鋳型をぬけながら
たましいのなかへと影をおよがせる
海に浮かぶ きのうのきみの影ばかり
裏返りながらあなたをだしてくる

4月25日
沖なのかきのうか去ってゆくひとの
ながれこみ普遍になって沖にいる
浮遊するひとつぶうつし世のわたし
沖にいてはるか沖へとよびかける
海に跳ねているのは光 アマテラス
黄泉(よみ)は土か水かと観念をさがす
黄泉(よみ、おみ)とは、日本神話や聖書などにおいて用いられる死後の世界を指す概念。本居宣長の『古事記』の解釈をはじめとして一般的には死者の世界を意味するとされる。

  わたしを洗うみそぎのように
起点とはしない 終点ともしない
原点はここと蒼海 つつみこむ
きみのたましいなのか波間にうかぶ影
  わたしの横で海をみている
汎神論(はんしんろん)だねと与してくれている
ゆれている 水へかたちをほどくまで
淡い島影があの世にみえてくる
説くきみのきみを定着させた道
ネガティブをニュアンスとして拾いだす
わたくしを解体しゆく 海にでる
わたくしのままで突出してしまう
  濃くも淡くもかかわった影
かがやきの無限 いのちは象の足
わたくしの蒼につながる海の蒼
ときどききみへひびくわたしの一行詩
きょうもきみにまみれて海をみていたが
  わたくしを見ているわたし
わたくしをあなたにつなぐ一行詩

4月26日
おだやかに可視的 なにも遮らぬ
そう呼んでいいのか動きつつ時代
性格の弱さへうながされている
おだやかな海 つつみこむ多様性
波の高さはひと悶着がありそうに
起点から起点へジグザグにあるく
連続性あって海にもわたしにも
たましいとしていつでもきみはそこにいる
強く残っているのはあのときの夕陽
導いているのは雲か海流か
すべて神 水も雷(いかづち)も人も
  分けゆく大海 生きてこのいま
ひとつぶのわたしを濯ぐ アマテラス
たゆたっている海水もわたくしも
不遇というわけでもなくて 置きどころ
空隙(くうげき)はきみの没後を指している
かんがえかただろうと描いてみた場面
水か風かあなたなのかがわからない
吞み込んだもの吐くように暴風雨
ウエルカムセレモニーからわたる橋
旅つづく 旅もわたくしへの一歩
パーティーのカラフルロゴをきらめかす
余韻まだ 戻したきのうくちずさむ
怠薬がかたまりかける 踏みはずす
ひどく揺れ足からくずれだす思案

4月27日
海上に常世(とこよ) 波風凪いでいる
常世とは、かくりよ(隠世・幽世)ともいい、永久に変わらない(変化の無い世界であり、例えるなら因果律がないような定常的であり、ある部分では時間軸が無いともいえる様な世界)神域であり、死後の世界や「永久」を意味し、古くは「常夜」とも表記。

経緯(いきさつ)は問わぬと海からの答え
終わったと海に洩らして海のうえ
ともに生きるなかに独りを立つ背骨
連続性のなかで独りのパンを焼く
  ニュアンスを変え独りを語る
似た者どうしベンチへかぜもなごみだす
いくつかの影を括って海へ向く
もう過去というニュアンスが明るすぎ
あれもこれもたがいに肯定の独り
それも過去というニュアンスで笑いあう
生きるかたち問われる かたちなどはない
細くながれてきたと来し方(こしかた)ふりかえる
海をみていると汎神論になる

4月28日
着岸のボートへ深圳(しんせん)の曇り
寄港地の説明 せねばならぬこと
わたくしを取りだす半透明ポーチ
半透明のポーチ もっともらしい顔
ポーチから取りだすわたしである証明
対であるかのようにふたりを提示する
深圳のみなとに杖をついている
ターミナルへの距離に迷っているしびれ
列にいる ながれの中を跳ぶコトバ
上陸のやがてを椅子に倒れこむ
その付近だろうと入りこむロビー
気象どうあろうと編んでいることば
衛星回線外れてきみと繋がれぬ
端末をなにかに遮られている
帰船へとゲートを通り抜けている
帰船までの自由行動スキャンする
ふりきったきみへ続きを渡せない
ねばならぬようにきのうを意味にする

4月29日
深圳のきのうを語る波のうえ
ゼロからイチへなみがしらまで立ってくる
紐解いていくとき風もすべりだす
まだきみにわたしの芯は届かない
出港の遅れへ夜空ひとりじめ
繊細なかぜ蒼海をなでてくる
足早のきみへときどき時差調整
ちがうもの見ている 右舷と左舷
朝のコーヒー話しの幅をひろげだす
きみときみの影にも支えられている
自由というかなしみもある カモメ舞う
かわるがわるこれも遊びか体験談
ここにいることへ想いを込めている

4月30日
生きていることはまぼろし波騒ぐ
墓場のように凪いでいる海
つかみどころのなさへあなたがつたわらぬ
柱に影わたしにもまだ影がある
濁りかかる真夜中 まなこ閉じている
濁っているとしても契(ちぎ)ってきた水だ
定型をすこしくずして濁る水
切実にかなしいことは先送り
くりかえすうちに鱗が落ちてゆく
生ものとしてのわたしをかかえこむ
つなぎゆくフレーズ残り香のように
もうあとはないとどんより暮れている
なげやりなことばを拾う 生きづらさ
ハロン湾の影はこの世でないように
ハロン湾の岩陰正答をかくす
不可逆的にうしなわれゆく選択肢
とどかないことの範囲にふれている
区切られたいまを切り捨てられている
記憶にはないと対峙を避けている
切れ目なく水で水からきみになる
ベトナムの国の縮図がある港
局面をつつくとむき出しになった

5月1日
遮ってくるとき他人だと思う
問われていること背景を海にして
見失ったひととの時間ひきよせる
悔いを含んでいるのはいつもこの時間
悔いやがて答えになってゆくところ
キーワードにしてそのことを海に問う
ひとことがその瞬間を痛ませる
刺していると知らぬひとこと刺している
逆光へきみとふたりの影になる
詳しくと求められても返せない
当たり前のようにきのうに触れてくる
例ひとつテーマへ語り合っている
水はもうはるかきのうを語らない
すこし残った時間も尽きる ものがたり
存在を選り分けられてきたひとり
気がついて悔やんだことも残るメモ
イメージでとらえて理解されぬまま
やってみてと促すことへ客観性
わたくしのきのうを答えにはできぬ

5月2日
骨の髄までも夕日がしみとおる
波の音 月の光が沁みてくる
死想よぶ 月光浴がしみるから
いささかは咲かせる骨になるまでを
等身大のあなたを蔓延(はびこ)らせている
波がしら白があそんでいるこの世
やさしさを歩んだあの日逝くひとと
波がしらもわたしも見え隠れ この世
内包のかたちに海が凪いでいる
(こわ)れやすい肉にもしがみついている
追ってきたものいくばくへやがて醒め
  青より蒼がわたくしの色
ひかり撒く グラスはきっと寒いから
船内の街 まぼろしを飼っている

5月3日
きのうのことへもきみの答えがほしくなる
シャッフルして返す あなたを煙に巻く
ものさしはひとつことばで測りあう
匿名性 他人同士が交ざりあう
どこまでも他人で交ざりあっている
金魚鉢のなかにわたしの置きどころ
抱えこむことのジレンマなど言わぬ
フリーズしていました 返らない時間
嚙み合っていない 起点すらもない
そういうことはダメとあなたを黙らせる
文脈のなかで嚙み砕いてもらう
突破口はいらない 白旗をおろす

5月5日
なににこころ残すともなし波がしら
ルームシェアたがいのくらしうつしだす
ラジオ体操いのちをすこし整える
わたくしの影へかかわる影が増え
囲み囲まれても入ることはない

5月6日
船首(ふなしゅ)いま波わけてゆく 這入りゆく
こんもりと波のまつりかインド洋
右舷左舷が光と陰になっている
竜骨(りゅうこつ)をつたわる 波がしらのまつり
わたくしをキャビンにおさめ切れぬ夜
デッキチェアなにに重きを置くかいま
(つい)の航路へいのちをすこしととのえる

5月7日
通過儀礼 赤道をいま切っている
生きづらさ 認知のゆがみかもしれぬ
隔壁(かくべき)を突きつけている空と海
独りいて森をひろげているキャビン
森ふたつデッキチェアから海を見る
船に身をゆだねてまださがす起点
幽世(かくりよ)への道かもしれぬ 航海図
一粟(いちぞく)としてのわたくし波のうえ
きみをさがしつづける 滄海(そうかい)の蛍
いまは海図のどの辺 毀(こわ)れゆくわたし
選択肢 どちらも絶え間ない水だ
船内のあちこちにある異邦感
わたくしの船底(ふねした)に棲む蛍たち

5月9日
なにに凭(よ)り生きる 波音風の音
わたくしの竜骨きしみだしている
舵やがてきみをわたくしから離す
滄海の一粟(いちぞく)として波にのる
わたくしの海図矛盾を抱いたまま
記されているから領海を犯す
きみの竜骨もとけ込む海の中
たえまない水にも飽きる影ふたつ
(ほど)かれて水になるのも幸福か
船首から入るあの世もうつし世も
共通点挙げてふたりの笑いあう
強く残るひとの影まず前置きに

5月12日
7Fデッキあるきまわっている記憶
せんないことを船の向きにも聞いてみる
ものごころついたころからある海図
船体になるまでわたくしの海図
風景にすこし足される自然観
ときどきは漏れるわたしのなかの水
デッキにいるひとみなやわらかな身振り
バラストがあちらに寄ってから疎遠
竜骨の軋みわたしのこころにも
船底(ふねした)にとどまっている逝ったひと
声いくつひろう終日(ひねもす)航海日
海外をゆく眼にみえてくる日本

5月14日
デッキチェアあなたの領海に入る
滄海も樹海もうつしよのかたち
もうずっとわたしのなかに棲む蛍
いないのかいるのかさがすきみの影
月夜には月のなかにもきみがいる
きみはいまここに普遍を吹きわたる
もう水に触れてはならぬ 選択肢
交渉制 さすがに水が騒ぎだす
時差マイナス5時間ふりかえる日本
モーリシャス・ルピーで友に画紙を買う
寄港地情報をならべている下船
上陸のわたくし警戒の歩み
波のひびきは波に音色があるように

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