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このいまをあがき切ったら過去になる

 膨大な過去の伝わり方の上に生まれ、未来における今日を言葉で描く人物を「作家」という。たむらあきこ氏は「作家」である。本作は世紀を超えて人の手に取られる一冊。短詩文芸。韻の文芸、七五調を使わせていただいている文芸。それ以前、それ以後、作家の内在律によって綴られている文芸。膨大な句のオーラ。たむら氏の内在律に読者が同調していく過程で、句を読む声がたむら氏となり、身体的存在感が氏と重なってゆく。句となってゆく。彼女が訪れた場所に、訪れたことのない読者が佇む。この感覚にデジャヴはない。即ち、唯一無二の「作家」による一冊。卵割からの歴史をきのうと詠む作者。ぜひ数多の人々に届けたい。

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