熊本・山頭火吟行25句(2022/9/15-18)
影すこし遺す熊本 山頭火
わたくしのなかを迷路が交叉する
泥酔のわたしに市電立ちはだかる
旧軌道敷あたりころんだ影を追う
迷いから迷い 市電を止めている
死ににゆく旅へ耕畝(こうほ)とあらためる
春扉(はるとびら)ひらいて堂守になった
流浪の生涯とある案内板
観音堂までの石段影かさね
味取観音堂の石段 山頭火
観音堂の廻(めぐ)り観音木隠れに
向き合っているだけで癒やされてくる
行乞(ぎょうこつ)のやがていのちが透けてくる
行乞の墨絵 わたしが透けてくる
季語を外してにんげんに入る
山間(やまあい)の路もながれも自由律
伸びしろのように流転の旅にいる
縁へ縁つなぐわたしのひとり旅
振りだしは観音堂にまかされる
定型を外れる影もわたくしも
下通三年坂通交叉
雅楽多書房はここかあなたの影さがす
さえぎるものない漂泊をあるく
家を捨て妻子をすてておぼつかなし
独死という死よ 芒(すすき)発光
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